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香取慎吾主演『日本一の最低男』が政治ドラマの理想形である理由

2025.3.20

#MOVIE

©フジテレビ
©フジテレビ

今期、最も感動を呼んでいるドラマ『日本一の最低男 ※私の家族はニセモノだった』が、いよいよ最終回を迎える。

物語は、主人公・大森一平(香取慎吾)の妹・陽菜(向里祐香)の死をきっかけに、彼女の夫・小原正助(志尊淳)とその娘・ひまり(増田梨沙)、息子・朝陽(千葉惣二朗)一家との共同生活が始まるところから展開していく。

政治家を目指す一平は、地域の様々な人と対話を重ねながら地域課題を解決し、多くの人の期待を背負う存在へと成長。そして、ついに区長選挙への出馬を決意する。

最終回を目前に控えた本作だが、タイトルにある「日本一の最低男」と「※私の家族はニセモノだった」の意味はいまだ明かされていない。本稿では、その点も含め、作品をレビューしていく。

※本記事にはドラマの内容に関する記述が含まれます。あらかじめご了承下さい。

ドラマとしての面白さと政治を考えさせる力の両立

大江戸区長選挙に出馬表明する大森一平(香取慎吾)©フジテレビ
大江戸区長選挙に出馬表明する大森一平(香取慎吾)©フジテレビ

毎回、涙を誘われ続けてきたからこそ、政治ドラマとしての要素がより響いてくる。これまでにも政治家を主役に据えたドラマは数多く作られてきたが、その多くは総理大臣や国会議員といった遠い存在を描いたものだった。そのため、登場人物と自分自身との距離を感じざるを得なかった。

一方で、フジテレビが2017年に放送した『民衆の敵〜世の中、おかしくないですか!?〜』のように、区議会議員を主人公とした作品も存在したが、本作『日本一の最低男 ※私の家族はニセモノだった』ほどに登場人物たちに深く思い入れられる政治ドラマは珍しい。

その理由のひとつは、前回の記事でも触れた通り、香取慎吾をはじめとするキャスト陣の熱演にある。また、印象深い第4話や第6話、第7話、さらに「選挙ドラマ編」にあたる第9話、第10話の脚本を担当した蛭田直美らスタッフ陣の力も大きいだろう。政治について考えさせる力を持つドラマは少なくない。しかし、何より大切なのはドラマとしての面白さだ。それを両立できている本作は政治ドラマの理想形と言っていいだろう。

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