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NEWS EVENT SPECIAL SERIES

Rol3ertが語る、英語で歌う理由、人種や性別を超えて届けたい感情、この先目指すもの

2025.9.8

#MUSIC

優れたライブパフォーマンス力の裏にあるもの

Rol3ert(ロバート)
2005年生まれ、現在19歳。アメリカ出身、2歳から日本で育つ。グローバル照準のトラックメイキング、ポップとJ-POP由来の美しいメロディ、人々の孤独や悩みに寄り添う歌で、世界を魅了する。2025年1月「meaning」で本格始動。8月27日、新曲『say my name』を発表。19歳にして、グローバル音楽シーンに挑む、日本発の新たな才能として注目を集めている。

―7月に行った初のワンマンライブでも、『FUJI ROCK FESTIVAL‘25』でも、「本格活動して半年です」というMCに会場がどよめいていましたよね。私は普段から2000年代生まれのアーティストをたくさん取材させてもらっているんですけど、コロナ禍以前は、いいライブができるようになるためにはライブハウスでの下積みが不可欠だと考えられていたところ、コロナ禍以降に登場する2000年代生まれの方たちは、ステージの場数が少ないのにいきなりいいライブをやってのけるアーティストがいるなと思っていて。そういう人たちって、結局、中高生時代から現場にしろネットにしろ人前で歌う経験を積み重ねてきたか、もしくは、いろんなライブ映像を見まくっていて、そこから何をインプットして自分はどう表現したいのかという想像力・創造力が長けているか、そのどちらか、それとも両方だと思っているんです。Rol3ertさんはどうですか?

Rol3ert:ライブはめっちゃ見るほうですね。ライブに行くこともありますし、YouTubeで好きなアーティストのライブを見たりしています。一番印象に残っているのは、The 1975のマディソン・スクエア・ガーデンのライブ。小さい頃からお父さんがマイケル・ジャクソン、The Clash、アダム・ランバートとかを聴かせてくれていたんですけど、特にマイケル・ジャクソンはライブ映像をたくさん見ました。とにかく迫力がエグくて、リピートしていましたね。最近だと、お客さんがスマホで撮ったd4vd、keshiとかのライブを見るのが好きです。お客さんが上げている動画は逆にリアリティがあると思う。

『FUJI ROCK FESTIVAL’25』

―Rol3ertとして活動を始めるまでは、どんなふうに音楽に触れてこられたんですか? 高校生の頃からバンドをやられていたそうですけど、それも今のライブ表現に活きていそうですね。

Rol3ert:小1から中2、3まではバイオリンをやっていました。それが活きている部分もあるかもしれないです。中学2年生の頃にONE OK ROCKが好きだったり、マイケルを聴き返したりしていた時期があって、そこからジャスティン・ビーバー、テイラー・スウィフトとかのメジャーどころや、アヴィーチー、アラン・ウォーカー、カイゴとかのDJ系にどっぷりハマって、さらにどんどん洋楽を掘るようになって。そこから「自分で曲を書いてみたい」と思って、友達と4人組バンドを組みました。

―どういった要素が「自分で曲を書いてみたい」と思わせたのでしょう。

Rol3ert:音楽を聴いて黄昏れる瞬間ってあるじゃないですか。それがすごく心地よかったというか。でもその感覚は、人の曲だから、自分が作りだしたものではなくて。自分で感情の動きを作りたいなと思ったのが始まりです。最初は電子ピアノに付いている録音機能や、GarageBand(Appleが提供する無料の音楽制作アプリ)を使って曲を作っていました。ツインボーカルのベースボーカルとしてバンドを組んで、そのあとすぐに受験だったので中学のときはあまり活動してなかったんですけど、高校から本格的にやっていましたね。オリジナル曲も作って、SNSに動画を上げたり、5回くらいだけですけどライブハウスに出たりしていました。

―初のワンマンライブは、たった一人でピアノ弾き語りで演奏されていましたけど、Rol3ertさんの人生の中でピアノはどういうものだったんですか?

『Rol3ert 1st Live “3mpty”』

Rol3ert:母親の電子ピアノとグランドピアノが家にあって、ずっと家の中でピアノの音が聴こえてくる環境だったので、それが大きかったかもしれないです。兄もミュージシャンとかではないのに、自然とハモれるんですよ。母親はプロとかではなくアマチュアで自由にやっている感じなんですけど、この前「ピアノをするために仕事をしてる」って言ってました(笑)。でも自分はピアノの練習を全然やってこなくて、YouTubeの動画を見て、自分のやりたい曲だけ弾いて終わり、みたいな。本当に、適当にやってましたね。

―一般的に「練習」「努力」と呼ばれるものを、自分で「練習」「努力」と思わず、夢中になって時間を費やせられる人が一番強いんですよね。そういう人がプロになる。

Rol3ert:たしかに。楽しいと思っていればいいですよね。

―バンドはなぜ解散してしまったんですか?

Rol3ert:失礼に当たる部分があるかもしれないので、言い方が難しいんですけど……友達の楽しさと、上を目指す楽しさって、違うじゃないですか。みんな「上に行こう」って言ってはいたんですけど、口だけの部分があったというか。真剣に考えて、みんなに「辞める」って言ったという感じでした。去年の7月末に解散して、自分が辞めるって言ったからにはしっかりやらなきゃと思って、8月からSNSに動画を上げ始めました。

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