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OBSG×民謡クルセイダーズ対談 民謡の楽しさを世界にシェアする日韓バンドが語り合う

2024.9.12

#MUSIC

民謡に対して新たなアプローチが生まれている共通点

―ヒムンさんはソウル芸術大学の国楽科で民謡を専攻されてますよね。卒業生はみんなプロの民謡歌手の道に進むものなんでしょうか

ヒムン:いや、そういうわけでもないですね。民謡にかぎらず、伝統音楽で生計を立てるのはとても難しいことなんですよ。卒業生は伝統音楽を扱う国の機関や芸術団体に所属することが多いですね。私のようにフリーランスで活動している歌手は本当に数少ないです。その一方で、以前と比べると韓国国内でも伝統音楽の新しい動きが活発になっていて、おもしろいグループが出てきていますね。

―そういえば、このあいだソウルに行ったんですけど、東大門のほうで民謡のUSBを買ったんですよ。こういうものってどういう人たちが聴いているんでしょうか。

ヒムン:いま大石さんが見せてくれたUSB、パッと見た感じでは母の友人が何人も入っているようですね(笑)。伝統音楽を学んでいる人たちが勉強用に購入することもあると思いますし、民謡の愛好家も少数いるんですよ。

―なるほど。伝統音楽を取り巻く状況は韓国と日本で共通するところもありそうですね。民謡クルセイダーズに象徴されるように、日本でも新たな発想から民謡にアプローチするアーティストが近年増えていますし。

フレディ:ここ数年、伝統的な民謡の歌い手の人たちの一部が外に出てきたような感じもありますよね。若い世代が聴くようにもなっていて、民謡そのものが身近になってきたんじゃないかな。(福島県民謡である)「会津磐梯山」といっても以前は地元の人か民謡の世界の人、年配の人しか知らなかったけど、音楽好きの人のなかでも知ってる人が増えてきた。いい感じだと思いますね。

―日本では(沖縄など一部の地域を除くと)民謡とそれ以外の音楽のあいだに断絶があって、混ざり合う機会が少なかったと思うんですが、韓国の場合はいかがでしょうか。

ヒムン:韓国も一緒です。以前から伝統音楽とジャズのクロスオーバーなどを試みる先輩たちもいたんですが、決して一般的ではなかった。ここ数年、韓国でも伝統音楽を演奏する若いプレイヤーたちがそうした状況を変えてきました。今の世代が求めるリズムと伝統音楽の接点を見出そうとするミュージシャンが増えてきたことが大きく状況を変えたと思います。

―ソンテクさん率いるNST & THE SOUL SAUCEはまさにその一例ですね。

ソンテク:そうですね。伝統音楽に対するさまざまなアプローチが試みられるようになってますし、私自身、そうした状況の変化を楽しんでいます。

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