メインコンテンツまでスキップ
NEWS EVENT SPECIAL SERIES

ドラマ『続・続・最後から二番目の恋』が描いた専業主婦と独身女性のセカンドライフ

2025.6.23

#MOVIE

©フジテレビ
©フジテレビ

第二の人生へと進もうとする啓子を祝福する“ダンスに間に合う”

千明と共にオシャレなお店で女子会を楽しむ啓子(森口博子)と祥子(渡辺真起子)©フジテレビ
千明と共にオシャレなお店で女子会を楽しむ啓子(森口博子)と祥子(渡辺真起子)©フジテレビ

“千明にならなかった女性”として、私がもう一人、気になった存在が、千明の友人・啓子(森口博子)だ。出版業界に勤める啓子は、テレビ業界の千明や音楽業界の祥子(渡辺真起子)とともに、オシャレなお店で女子会を楽しむ独身仲間である。華やかな業界だが、不景気で出版社も厳しい状況。啓子曰く、売り上げが好調なコミックの部署の前を通る際は、つい拝んでしまうらしい。

『続・続』の第8話で彼女の話を聴く前までは、千明と同じ独身で仕事人間――そんなふうに思っていた。しかし、第8話で、啓子は定年で会社を辞めようとしていると、千明たちに打ち明ける。啓子は『続』で名古屋への転勤したのだが、あの名古屋こそ、自分のキャリアの最終地点だったと涙ながらに語るのだ。

現実には、啓子のような人のほうがずっと多いのではないだろうか。千明や祥子のようにバリバリ働き、然るべき地位まで辿り着けるのは、ごく一部の人間だけだ。女性ならば、なおさら。先の見えない時代、キャリアに限界を感じながら働く人は多い。だが、ドラマなどでは、なかなか取り上げられなかった人たちだ。だからこそ、啓子のようなキャラクターが令和7年のドラマで描かれた意味は大きい。

今の仕事を辞めた後のことは、啓子自身にもわからない。ただ、生活のために働かなくてはいけないことだけは確かだ。不安は尽きない。けれど、「友達でいてね」と涙ぐむ啓子を抱きしめる千明と祥子、そこに生バンドで流れる思い出野郎Aチーム“ダンスに間に合う”は、第二の人生へと進もうとする啓子を祝福するかのように響き渡っていた。

RECOMMEND

Loading...

NiEW’S PLAYLIST

編集部がオススメする音楽を随時更新中🆕

時代の機微に反応し、新しい選択肢を提示してくれるアーティストを紹介するプレイリスト「NiEW Best Music」。

有名無名やジャンル、国境を問わず、NiEW編集部がオススメする音楽を随時更新しています。

EVENTS

森七菜×長久允 映画『炎上』が2026年春に公開。歌舞伎町をオリジナル脚本で描く NiEWのサイト内にバンド・Nikoんの掲示板(BBS)が登場 コクヨのカセットシリーズ第1弾にSummer Eye、岡田拓郎、in the blue shirtらが参加 Podcast番組「NiEW EDITION」、月〜木曜で毎日配信 🉐EVENTコーナー開設!休日のお供に🉐
『FUJI ROCK FESTIVAL ’25』Amazon Prime Videoで無料生配信が決定 舞台『TRAIN TRAIN TRAIN』全キャスト発表。障害に関わらず楽しめる舞台へ NiEW Inc. スタッフ募集中
90年代に生まれた日本の美術表現を追う展示が開催、国立新美術館と香港のM+による協働企画 『exPoP!!!!!再会 2025』第2弾にヘルシンキ、トクマル、Khaki、HOMEら12組 📨NEWSLETTERもお楽しみに📨 ケイトラナダ、7年ぶりの来日公演が緊急決定。弟のルー・フェルプスも参加
『シカゴ・ハウス大全』が8月刊行、500枚以上の作品レビューや座談会を収録 👇👇来日公演まとめは「#来日」に👇👇 二宮和也主演映画『ラーゲリより愛を込めて』が地上波放送決定、戦後80周年記念 音楽フェスや芸術祭、映画祭は「#フェス情報」から👇 Wet Legの来日ツアーが2026年2月に決定、2ndアルバムを引っ提げて東名阪