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「『ミステリアス・スキン』は魔法のような作品」
―では今回上映される『ミステリアス・スキン』についてもお聞きしたいのですが、「ティーン・アポカリプス・トリロジー」の時代を経て、この作品で達成できたことは何だと感じていますか。
アラキ:『ミステリアス・スキン』は、僕にとって本当に特別で、大切な映画です。心から愛着があって、自分のなかでも非常に近しい存在ですね。この作品の制作は、とても実りある体験になりました。
僕は自分の映画をどれも愛しています。それぞれがわが子のようなもので、みんな等しく大切に思っているんです。ただ『ミステリアス・スキン』に関しては、作品自体がとても強烈なものなので、それを観たひとたちの反応も非常に強く、感情的で、とても深いものでした。
アメリカで公開されたときも、他の国でも、観客の反応が本当に熱くて、心に迫るものがありました。それだけ、あの作品には特別な力があったんだと思います。
―若き日のジョセフ・ゴードン=レヴィットとブラディ・コーベットが見られる作品でもありますね。
アラキ:『ミステリアス・スキン』のニールとブライアンという役は、演じるのが非常に難しい役でした。だから、キャスティングには本当に長い時間をかけて、ぴったりの俳優を探していたんです。
そして最終的に、ジョー(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)とブレイディ(ブラディ・コーベット)に出会うことができて、本当に幸運でした。出演者全員が素晴らしかったですが、とくにこのふたりは物語全体を背負う役割でしたから。

アラキ:ずっと「このひとだ」という俳優に出会えずに悩んでいたのをよく覚えています。それがようやく、まずジョーが決まり、そのあとにブレイディがキャスティングされたんです。
あの映画は、ある意味で魔法のような作品でした。すべてが自然に、うまく噛み合っていったというか……。キャスト全員が完璧にフィットしていて、まるで奇跡のようでした。彼らといっしょに仕事ができたことは、本当に素晴らしい経験になりました。
