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グレッグ・アラキ監督インタビュー クィア映画の巨匠がユースたちに伝えたいこと

2025.4.24

#MOVIE

「『ミステリアス・スキン』は魔法のような作品」

―では今回上映される『ミステリアス・スキン』についてもお聞きしたいのですが、「ティーン・アポカリプス・トリロジー」の時代を経て、この作品で達成できたことは何だと感じていますか。

アラキ:『ミステリアス・スキン』は、僕にとって本当に特別で、大切な映画です。心から愛着があって、自分のなかでも非常に近しい存在ですね。この作品の制作は、とても実りある体験になりました。

僕は自分の映画をどれも愛しています。それぞれがわが子のようなもので、みんな等しく大切に思っているんです。ただ『ミステリアス・スキン』に関しては、作品自体がとても強烈なものなので、それを観たひとたちの反応も非常に強く、感情的で、とても深いものでした。

アメリカで公開されたときも、他の国でも、観客の反応が本当に熱くて、心に迫るものがありました。それだけ、あの作品には特別な力があったんだと思います。

カンザス州の田舎町ハッチンソン。1981年の夏、リトルリーグのチームメイトである8歳の少年ブライアン(ブラディ・コーベット)とニール(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)は、常習的に幼い子供への性加害を行なっていた一人の<コーチ>によって大きく人生を狂わされる。精神的なショックから自分の身に起きたことを忘れてしまったブライアンは、やがて宇宙人に誘拐されたために記憶を失ったのだと思い込むように。一方、<コーチ>と8歳の自分の間にあったものは「愛」だと信じるニールは、彼の影を追い求めて年上の男たちを相手に体を売りながら生きていく道を選んだ。「空白の記憶」から10年、ブライアンが真実を取り戻そうとするうち、手がかりとして浮かび上がってきたのは繰り返し夢に現れる一人の少年。そして、その少年がニールであることをついに突き止めたブライアンだったが……。

―若き日のジョセフ・ゴードン=レヴィットとブラディ・コーベットが見られる作品でもありますね。

アラキ:『ミステリアス・スキン』のニールとブライアンという役は、演じるのが非常に難しい役でした。だから、キャスティングには本当に長い時間をかけて、ぴったりの俳優を探していたんです。

そして最終的に、ジョー(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)とブレイディ(ブラディ・コーベット)に出会うことができて、本当に幸運でした。出演者全員が素晴らしかったですが、とくにこのふたりは物語全体を背負う役割でしたから。

(左から)ニール(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)、ブライアン(ブラディ・コーベット)

アラキ:ずっと「このひとだ」という俳優に出会えずに悩んでいたのをよく覚えています。それがようやく、まずジョーが決まり、そのあとにブレイディがキャスティングされたんです。

あの映画は、ある意味で魔法のような作品でした。すべてが自然に、うまく噛み合っていったというか……。キャスト全員が完璧にフィットしていて、まるで奇跡のようでした。彼らといっしょに仕事ができたことは、本当に素晴らしい経験になりました。

『ミステリアス・スキン』場面写真

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