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井戸健人が語る、意識と無意識の間で作り上げた『All the places(I have ever slept)』

2025.2.19

井戸健人『All the places(I have ever slept)』

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それでもやっぱり、自分からは逃れられない

―最後に、『All the places(I have ever slept)』というタイトルについて教えてください。

井戸:アルバムタイトルはジャケットの写真を廣田達也さんに撮っていただいたときに思いついたんですけど、寝てるみたいやなと思ったんですよね。

井戸:寝てるのも意識のない時間やし、けど確実に自分の体は覚えていて、「そういう場所を集合させたもの」みたいなことを上手く言えたらいいなと思って、このタイトルにしました。今回はいろんな人に演奏してもらったので、その感じも上手く言えてる言葉かなと思ったんですよね。

―それこそこの「places」の中には京都も神戸もあれば東京もあるし、もちろんそれ以外のいろんな場所での記憶や経験が詰まっていて、寝ているときのように無意識なんだけど、でもやっぱりそれが表出してる。参加してるプレイヤーも、関西の人もいれば東京の人もいるわけで、その感じも表れてると言えるかも。

井戸:そうですよね……面白い指摘です。以前に取材をしてもらったときもそうやったんですけど、金子さんに指摘してもらって「それや!」ってなったことを思い出しました。

―「無意識」を大事に作っているからこそ、それを聴いた人がどう解釈するかという面白さもある作品ですよね。むしろそうやって多様な解釈ができることこそが「井戸さんらしさ」なのかもしれない。

井戸:でも結構、何をやってもやっぱり自分が作ったら自分やなっていうのはあって。もちろん自分で作って歌ってるからっていうのはあるんですけど、やっぱり自分からは逃れられへんのやなっていうのも今回思いました。だから逆に言うと、自分で作って歌ってさえいれば何でもありというか、そこにアイデンティティを感じてるかもしれないです。

今作は何回も歌を録り直したんですよ。声ってやっぱり情報量が多くて、音源を聴くと「この人緊張してるな」とかわかるんですよね。声の温度感みたいなところはすごく気をつけました。それは今回の曲作りには関係ないんですけど、レコーディングの手法として、鳴ってる音にテンションを合わせるというか、そこは意識しましたね。

―作って、選んで、編集してるのが井戸さんだから、その時点で作家性は担保されてるんだけど、でも今回は「演奏する」という部分を他の人に任せた分、その上で自分をどう出すかとなったときに、「歌う」ことがこれまで以上に重要だった。やはり井戸さんには「シンガーソングライター」というアイデンティティがあって、そこを再確認したアルバムでもあるのかもしれないですね。

井戸:確かにそうですね。歌に使った時間はかなり多かったです。たくさんの人に参加してもらった結果、自分の役割がはっきりして、より歌に集中することになった作品だと思います。

井戸健人『All the places(I have ever slept)』

『All the places(I have ever slept)』 release party

会場:下北沢SPREAD
開場12:00/開演12:30
料金 ¥3,400 (+1Drink) ※19歳以下無料
ご予約:itsukiraika@gmail.com

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