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話題のドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』にかけられた魔法

2024.8.20

#MOVIE

死者である父・耕助(錦戸亮)の姿が視聴者に見える意味

©NHK
©NHK

本作の素晴らしさは、現実の彼女たちの物語に、ドラマが、ドラマにしかできない方法で最大限に寄り添っていることにある。特に普段、私たちが見ることができない死者や過去を共存させることによって。

まず、本作と原作の決定的な違いは、死者である父・耕助が生きていることにある。もちろん、本当に生きているわけではなく、彼は、七実やひとみ、芳子には見えないが、草太と視聴者にだけ見える存在として描かれている。第1話の冒頭では、颯爽と現れる家族の面々に加え、耕助もサングラス姿で登場する。時に草太の動きを模倣するかのように動き、時に草太の身体を借りるようにして七実に語り掛ける。草太と言葉を交わし、ハグをし、ともに踊る。でも現実には耕助は存在せず、草太だけが1人踊っている。亡くなっているはずの父・耕助の姿を見ることができるにも関わらず、そのことについてはっきりとした言及がない序盤から、1人踊る草太の姿を通してその事実が明確に示された第2話終盤への展開には驚かされた。

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