メインコンテンツまでスキップ
NEWS EVENT SPECIAL SERIES

ジョン・カビラが語る、ラジオの変遷。100年前から残り続けるメディアの凄み

2025.11.5

#OTHER

放送局、そして受け手がリテラシーを試されている

ーradikoのタイムフリーやエリアフリー機能や、ポッドキャストでのアーカイブなど、ラジオの聴取環境は近年どんどん変化しています。

カビラ:現在、いろんな新しいメディアが登場し、いわばメディアの民主化が良くも悪くも極端な形で進行していて、その弊害もいろいろなところで噴出しています。ラジオは電波を使って放送しているわけですが、その周波数帯は有限で、国際的な条約で日本に割り当てられているものです。それをさらに日本国内の法律でラジオ局に割り当てているんですが、電波は政府のもの、権力のものではなく、市民のものなんです。

放送法の第一章第一条に「放送を公共の福祉に適合するように規律し」、「放送が健全な民主主義の発達に資するようにすること」とありますが、これが原点中の原点ですよね。そこがインターネットメディアとの違いです。J-WAVEは当初「More Music Less Talk」を標榜していましたし、新しい音楽の発見の場であることは今も変わりませんが、法律で与えられた周波数帯を公共の福祉のために使うということを絶対に忘れてはいけないんです。

ーお父様である川平朝清さんと対談しているポッドキャストがありますが、そこで朝清さんは「メディアはPublic Interest,Convenience and Welfare(公益ー公共的な興味関心、利便性、福祉)のために使われるべき」とおっしゃっていました。確かにネットメディアには「Public」という意識が希薄ですよね。

カビラ:それは強制されるものではないので、受け取る方々の感性と責任でもあります。ただ、僕はやはりファクトチェックは必ずするべきだし、YouTubeやポッドキャストを享受する私たちも本当にバランスが取れているのか気を付けないといけない。自分のメジャー=物差しを持っていないとすごく危険なことになりますよ。実際、今の日本の政治。特に地方政治を見ていると、自由の名の下に無責任な暴走が起きています。受け取る側のリテラシーが試される時代が来ていると思います。

それを教育で教えるといっても、義務教育は中学生までですから。15歳までの子供に理解してもらうには大変です。残念ながら、オーストラリアのように一定の年齢に達するまではソーシャルメディアを制限するしかないのかなとも思いますが、検閲にもつながるので、すごく難しい問題ですよね。

RECOMMEND

NiEW’S PLAYLIST

編集部がオススメする音楽を随時更新中🆕

時代の機微に反応し、新しい選択肢を提示してくれるアーティストを紹介するプレイリスト「NiEW Best Music」。

有名無名やジャンル、国境を問わず、NiEW編集部がオススメする音楽を随時更新しています。

EVENTS