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ジョン・カビラが語る、ラジオの変遷。100年前から残り続けるメディアの凄み

2025.11.5

#OTHER

偶然の連なりが奇跡になる、ラジオの幸福な瞬間

ーラジオは、リアルタイムにリスナーからメッセージやリアクションが届くというのも特徴です。

カビラ:まさに、皆さんで作り上げるものです。先週の放送で、Oasisの来日公演のチケットが追加されて、その先着販売がこの後始まるという情報をご紹介したんです。そしたら聞いていた方から「速攻で応募したら手に入りました!」とメッセージが来た。ナビゲーター冥利につきますよね。

ーその日の『MIDDAY LOUNGE』を聞いていなかったら買えていないですもんね。

カビラ:たまたま番組を聞いて、たまたま応募して、たまたま当たった。幾重にもフィルターがかかっているわけですよね。クールに言えばただの偶然なんだけど、僕は奇跡に感じる。その喜びを分かち合うために連絡してくれたというのもうれしいじゃないですか。こんなに幸せなことはないです。

ー他のリスナーとも喜びをシェアできるという。

カビラ:「ラッキーな人がいるんだな」ってね。あと、先日『-JK RADIO- TOKYO UNITED』でゲストの高岩遼さんが“北風小僧の寒太郎”を生演奏したら、作曲者である福田和禾子さんの息子さんからメッセージが届いたんですよ。「生前の母もこの番組を聞いていました」と書いてあって、もう号泣ですよ。この思い出を分かち合っていただけるということが、宝物です。

ーそういった奇跡的なメッセージも、何の変哲もないメッセージも、並列に紹介できるのもラジオのいいところだと思います。テレビだと、どうしても「面白いもの」に偏ってしまうので。

カビラ:その「普通」こそ、実は特別なんですよね。そういうことが共有できるのはラジオだけなんじゃないですか。ラジオではそういった「2 WAY」、つまり双方向のやり取りで番組を作っていくやり方が多いんです。

ありがちなのは「今日のメッセージテーマ」みたいなものを募って、それで番組が構成されているという。英語で言うところの「Slice Of Life」、日常の一面をみんなで共有することは興味深いし、面白いんだけど、あまりにもそれに頼っていないかと思うときもある。そのテーマに関心のない人、シェアすることがない人は置いてけぼりになってしまいますし。僕らは「リスナーコミュニティ」という言葉をよく使いますが、それをあまりに狭く定義している恐れもあるんです。

ー番組リスナーにだけ流通している言葉や話題で盛り上がってしまうと、途端に身内ウケになってしまうと。

カビラ:そこらへんの匙加減というか、デザインは本当に難しいです。そういったコミュニティが深く完璧に出来上がっている番組も、特に地方局にはありますからね。それはそれでラジオの特性の一つだし。それを徹底的に追求して、他を寄せ付けない存在になるのも価値があるとは思います。

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