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ジョン・カビラが語る、ラジオの変遷。100年前から残り続けるメディアの凄み

2025.11.5

#OTHER

「シアター・オブ・ザ・マインド」。音で描くスタジオの空気感

ーラジオというメディアの特性として、リスナーとの距離の近さがありますが、漠然とした概念としてのリスナーに話しかけるのではなく、目の前の人の反応を具体的に取り込むことが「近さ」につながるんですね。

カビラ:そういうことだと思います。ラジオがパーソナルなメディアであることは、映像がないことも関係しているんですよね。動画と違って、各々が聞いて想起することができる。頭の中で見えているものは、聞いている方々一人ひとり違うんです。これはすごいことだと思います。五感の中で一番情報のカロリーが高いのは視覚だと思いますが、そのストレスがない。とても自由なんです。

ラジオを「シアター・オブ・ザ・マインド」と呼んだりしますが、あなたが心と頭で思い描いている映像をどこまでお聞かせすることができるか、僕たちはそれを日々試されているんですね。なので、紙の資料をあえて触ってみる。なんとも言えないペーパーノイズをマイクを通して聞いていただくことで「ああ、手元に紙があるんだ」と感じられる。それがアクセントになるんです。それがラジオの面白いところであり、醍醐味ですね。

ーただきれいな音が放送されればいいというわけではなく、スタジオの空気感含めてリスナーに伝わることが重要という。

カビラ:そうですね。コロナ禍で変わってしまった部分ではありますが、例えば目の前にゲストがいらっしゃったらハイタッチしちゃうとか、外の景色を説明する時にあえてマイクの前から窓際に移動して話すとか。そうやって音にグラデーションをつけて感じてもらえればと。ラジオならではの遊び心ですよね。テレビだと、カメラの前から消えることはできないですから。

ー先ほどおっしゃっていた「いかにBGMに乗るか」というのは、まず音楽が前提としてあるということで、非常にFM的、J-WAVE的ですよね。

カビラ:ジングルでも「サウンド・スケープ・オブ・トーキョー」、つまり「東京の音の稜線」といっているくらいで。音楽を作ってくださっているアーティストの皆さんには感謝しきれないです。クラシックヒットを流しても、いろんな思い出が蘇る方もいれば、初めて聞く方も必ずいらっしゃる。それが面白いですよ。

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