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『ジュラシック・ワールド/復活の大地』レビュー 第1作を初めて見た興奮を思い出す

2025.8.8

#MOVIE

『ジュラシック・パーク』という名作にふさわしい後日譚に

ここまで本作を称賛してきたが、すごろく的な展開ゆえに「大味」に感じる場面もある。たとえば、シリーズでは恐竜が暴れ出すきっかけとなる「ヒューマンエラー」が「いくらなんでもうかつすぎ」と思うことがあるのだが、今回はもはや開き直ったかのような「そんなしょうもないことがきっかけでこんなことに!?」な展開がオープニングで待ち受けていたので大笑いしてしまった。

シチュエーションは次々に変化し、飽きさせない構成になっているものの、それゆえに少々無理があると思う場面もなくはない。とはいえ、3大恐竜という巨大マスを踏みに行くスケール感や、シリーズファンへのサービスを多少強引でも詰め込むような作り手の気概を微笑ましく思えるのであれば、許容範囲だろう。

また、ギャレス監督は、「『ジュラシック・パーク』はこれぞ純然たる映画です。あそこでスティーヴンがやったことを超えるなんて無理だし、超えられると考えたことすらありません」と、謙遜というよりは本音と取れる前置きをしつつも、こうも自負している。

あの名作にふさわしい後日譚を、みんなで撮れたとは思いたい。『ジュラシック・ワールド/復活の大地』を観た皆さんが、実はユニバーサルが、作ったのすら忘れていた完成品を蔵から掘り出したのがこれだと感じていただけたら嬉しいです。『ジュラシック・パーク』の続編として90年代にすでに完成していた、1作目と同じ空気感やスタイルのある映画なのだと

確かに、本作は極限にまで高まった映像技術を抜きにすれば、2025年に作られた映画とは思えないほど、「冒険のワクワクが詰まった、1990年代の冒険映画」の空気に満ちている。その楽しさを、もう大人になった観客が思い出し、今の子どもたちが新しく知るというのは、映画ファンの1人としてもとてもうれしいことであるし、名作の後日譚に必要なリスペクトや愛の大きさは疑いようもない。ぜひとも、家族で楽しんでほしい一本だ。

『ジュラシック・ワールド/復活の大地』

8月8日(金)全国ロードショー

【出演】スカーレット・ヨハンソン、マハーシャラ・アリ、ジョナサン・ベイリー、ルパート・フレンド、マヌエル・ガルシア=ルルフォ、ルナ・ブレイズ、 デヴィッド・ヤーコノ、オードリナ・ミランダ、フィリッピーヌ・ヴェルジュ、 ベシル・シルヴァン、 エド・スクライン
【監督】ギャレス・エドワーズ
【脚本】デヴィッド・コープ、 マイケル・クライトン
【キャラクター原案】マイケル・クライトン
【製作】フランク・マーシャル、 パトリック・クローリー
【製作総指揮】スティーヴン・スピルバーグ、デニス・L・スチュワート、ジム・スペンサー
【配給】東宝東和
(C)2025 Universal Studios. All Rights Reserved.

公式サイト:https://www.jurassicworld.jp/

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