グータッチでつなぐ友達の輪! ラジオ番組『GRAND MARQUEE』のコーナー「FIST BUMP」は、東京で生きる、東京を楽しむ人たちがリレー形式で登場します。
9月30日は、Celeinaさんの紹介で、音楽プロデューサーのマット・キャブ(Matt Cab)さんが登場。日本で活動を始めたきっかけやCeleinaさんとの出会いのほか、「遊び心」を大切にした楽曲制作の裏側についても伺いました。
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BTSからKing & Princeまで、幅広いアーティストを手がける
タカノ(MC):10月1日からの番組リニューアルに伴い、番組開始時から続いてきたこのコーナーも、今日が最終回となります。9月29日と9月30日の2日間は、私たちそれぞれが「グータッチしてほしいリアルな友達」をお迎えしています。昨日は、僕のリアル友達のSKYTOPIAに来てもらいました。
Celeina(MC):そして今日お迎えするのは、私のリアルな友人である音楽プロデューサーのマット・キャブさんです。
マット:呼んで頂き嬉しいです!今日はなんかシュールですね。いつものCeleinaじゃないみたい。
Celeina:というのも、私が18歳くらいの頃からお世話になっている、まるでお兄ちゃんのような存在なんです。
マット:本当に妹みたいな存在です。大人になりましたね。良い意味でね(笑)。
タカノ:マットさんはYouTubeチャンネルを運営されていて、僕はそこで初めて彼の音楽に触れました。その後、番組でも楽曲をオンエアさせていただくようになり、もともとファンだったので、ずっとCeleinaさんに「紹介してほしい」とお願いしていたんです。
マット:ありがとうございます。本当に嬉しいです。
Celeina:改めてプロフィールをご紹介します。マット・キャブさんはサンフランシスコ出身で、日本を拠点に活動する音楽プロデューサー・アーティストです。これまでBTS、安室奈美恵、AI、JP THE WAVY、Awichといったアーティストに楽曲を提供。近年ではKing & PrinceやソウルシンガーのYo-Seaなど、ジャンルを超えてプロデュースを手がけています。私自身も音楽活動でプロデュースをしていただきました。
マット:自分のプロフィールをCeleinaが読んでくれるのは、なんだか不思議な気分です。
タカノ:普段は英語でのやり取りが多いんですか?
マット:日本語も英語もどちらも使いますね。
Celeina:いわゆる「若者英語」をいろいろ教えてもらっていました。
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日本の文化に惹かれて、高1から日本語の勉強を始めた
タカノ:マットさんは日本に来て、どれくらいになりますか?
マット:18年目です。
タカノ:ずいぶん長いですね。日本語の勉強はいつ頃からされているんですか?
マット:高校1年生のときから少しずつ始めました。日本の文化に惹かれて、それがきっかけでしたね。
Celeina:アメリカの高校では、第3言語として日本語を学べるところもありますよね。
タカノ:日本に来ようと思ったきっかけは何かあったんですか?
マット:最初は上智大学に留学生として来ました。日本の文化がとても魅力的だったのと、アメリカから少し離れた場所に行ってみたい、冒険してみたいという気持ちもありました。
タカノ:サンフランシスコからだと、かなりの距離ですもんね。
Celeina:特にどんな日本文化に惹かれたんですか?
マット:来日する前から、アニメやSF映画、そして伝統文化の融合に強く惹かれました。伝統を大切にしながら新しいものを取り入れていく、そのリスペクトの精神に感動したんです。
Celeina:たしか、『サムライチャンプルー』を観ていたとも言っていましたね。
タカノ:実際に日本で暮らして18年、今どんな気持ちですか?
マット:不思議な感覚です。人生の半分くらいを日本で過ごしているので、脳味噌が混乱して、時々「自分はどこの人なんだろう」と思うこともあります(笑)。
タカノ:Celeinaさんとは、どのようにして出会ったんですか?
Celeina:同じレーベルに所属していました時期があったんです。私の楽曲をプロデュースしてくれたり、フィーチャリング曲を一緒に作ったり、上海でのライブにも一緒に出演したりしましたね。
マット:懐かしいですね。もう10年以上前ですよね。まるで前世みたいな気持ちです(笑)。
Celeina:曲作りについては、たくさんのことを教えてもらいました。
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遊び心を大切に音楽制作を行う
タカノ:プロデューサーとして幅広く活動されていて、マットさんの音楽制作は本当にすごいですよね。
マット:遊んでいるだけですよ(笑)。
タカノ:でも、その「遊び」がとても魅力的なんですよね。YouTubeでも、「遊び心を大切にしている」と話されていましたよね?
マット:そうですね。ときめきを感じられないと、インスピレーションが湧かないタイプなんです。
タカノ:YouTubeチャンネルでは、アンパンマンのおもちゃの音をサンプリングして曲を作る動画も印象的でした。
マット:息子が生まれたばかりの頃、音にすごく反応していたんですよ。その様子を見て、自分も「音って面白いな」と改めて感じて、アンパンマンの音をサンプリングしてリミックスしてみたんです。
タカノ:生活の中にある音楽のかけらに気づかされるような試みですよね。本当に尊敬します。
マット:ありがとうございます。とても嬉しいです。
タカノ:最近はギターにも挑戦されているんですよね?
マット:はい。これも遊んでいるだけですけど(笑)。
タカノ:「4か月でどれくらいうまくなるか」という企画もありましたね。
マット:挑戦するのが好きなんです。どこまで上達できるのか、自分でも試してみたくて。
タカノ:もともとはギターを弾かれていなかったんですか?
マット:アコースティックギターでオープンコードを少し弾ける程度でした。でも長年上達しないままで、それが悔しくなって、本気で練習してみようと思ったんです。
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音楽は人とコネクトするためのツールである
Celeina:そのチャレンジ精神、本当にかっこいいですよね。このコーナー「FIST BUMP」は、「友達を増やそう」というテーマでやっているんですが、マットさんのようは初対面のアーティストと一緒に制作する際、人と心を通わせる上で大切にしていることはありますか?
マット:僕にとって音楽は、人とつながるためのものです。曲を作ること自体よりも、人とコネクトすることが本質だと思っています。音楽はそのためのツールなんです。
Celeina:まず「人とのつながり」があるということですね。
マット:そうです。その人との表現を通して、新しいものを世の中に生み出したいと思っています。
タカノ:コラボレーションも多いですよね。
Celeina:コラボ相手は自分で探すこともありますか?
マット:DMもよく送りますよ。驚かれることもありますが、音楽というコミュニケーションツールがあるので「一緒に作りたい」という気持ちになりますね。
タカノ:どんな人に魅力を感じるんですか?
マット:その時々で違いますが、ときめきを感じる人ですね。ジャンルや経歴に関係なく、ルールはなくて、自分のハートが導いてくれる感じです。
タカノ:その時のフィーリングやタイミングも大事なんですね。
マット:自分の中でビジョンは持ちながらも、コンパスはいつも「ハート」ですね。
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シンガー・藤田織也との新曲で2000年代R&Bをリバイバル
Celeina:そして今年2月には、シンガーの藤田織也さんとのコラボ曲をリリースされましたね。1年半ぶりのコラボとのことです。
マット:はい。織也とは宇多田ヒカルさんの”First Love”のカバーなども一緒にやりました。彼はとても若いのに、自分よりもR&Bやソウルミュージックに詳しくて、今回も素晴らしいコラボになりました。
Celeina:今回の楽曲は「2000年代のリバイバル」をテーマにしているそうですね。
マット:そうです。リバイバルではあるのですが、僕が高校1年生くらいの頃の記憶が自然とにじみ出た作品です。メロディ制作では、クリス・ブラウンの曲なども制作している、アメリカのシンガーソングライターのクリシャンが参加してくれて、とても刺激的なコラボになりました。
Celeina:「FIST BUMP」最後のゲストは、音楽プロデューサーのマット・キャブさんでした。ありがとうございました。
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3年間で約600人の友情リレーを行った「FIST BUMP」が最終回
タカノ:「FIST BUMP」、番組開始当初から3年間でおよそ600名のゲストをお迎えしてきました。これまで出演してくださった皆さん、本当にありがとうございました。
Celeina:実際にお店に伺ったり、イベントに参加していただいたり、たくさんの交流ができましたね。
タカノ:月曜から木曜まで、友達の輪をつないでいくこのシステムも面白かったです。月曜に紹介してもらった方から、木曜にはまったく違う業界の方につながっていく。そうした「人の縁」を感じられるのが魅力でした。改めて、「カルチャー=人」だと実感します。
Celeina:これまでの「FIST BUMP」は、カルチャーメディア『NiEW』でWEB記事として公開されています。これからも残っていきますので、ぜひチェックしてみてください。
タカノ:改めて、これまで出演してくださった約600人のゲストの皆さん、そして聞いてくださったリスナーの皆さん、本当にありがとうございました。

GRAND MARQUEE

J-WAVE (81.3FM) Mon-Thu 16:00 – 18:50
ナビゲーター:タカノシンヤ、Celeina Ann