グータッチでつなぐ友達の輪! ラジオ番組『GRAND MARQUEE』のコーナー「FIST BUMP」は、東京で生きる、東京を楽しむ人たちがリレー形式で登場します。
9月9日は、映画イベント「レオファイトクラブ」を主催するLEOさんからの紹介で、映画監督の木村ナイマさんが登場。映画を作るきっかけとなった是枝裕和監督との出会いのほか、実体験から紡ぐ歌舞伎町のリアリティを描いた映画『天使たち』についても伺いました。
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『万引き家族』をきっかけに、映画制作の道へ
Celeina(MC):木村ナイマさんは、大学在学中にドキュメンタリーのゼミに所属し、友人たちと映像制作を開始。初監督・脚本作である短編映画『ファースト・ピアス』が、『西湘映画祭』にてグランプリを受賞しました。その後の作品『天使たち』は『田辺・弁慶映画祭』で映画.com賞を受賞し、今年、テアトル新宿やテアトル梅田で上映されました。
タカノ(MC):受賞続きですね。そもそも、映像制作に興味を持たれたきっかけを教えていただけますか?
木村:子どもの頃から映画を観ることは好きでしたが、小学3年生の頃、家からテレビがなくなり、代わりに与えられたパソコンで映画を観るようになりました。高校生になると、初めて1人で映画館へ行き、是枝裕和監督の『万引き家族』を観て「こういう素晴らしい邦画があるんだ」と感銘を受け、自分も映画を撮ってみたいと強く思いました。
タカノ:高校生の頃にその決意をされたのは、早いですね。
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是枝監督に影響を受け、ドキュメンタリーのゼミに所属
Celeina:大学ではドキュメンタリーのゼミに所属されていたそうですが、ドキュメンタリーに特別な関心をお持ちだったのでしょうか?
木村:実は最初から強い興味があったわけではありませんでした。ただ、是枝監督がドキュメンタリー出身だと本で知りまして、そこに書かれていた先生のゼミがちょうど自分が進学を考えていた大学にあったので「この人のもとで学べば良いのでは」と考え、ゼミを選びました。
Celeina:学びたい先生がいるから大学を決めた、ということだったのですね。
木村:そうです。とにかく映画を撮りたい一心でした。その学校には「映画」という言葉が一応書かれていましたが、実際は美大や日芸の映画学科のような制作主体の環境ではなく、座学中心で、ドイツのプロパガンダ映画を学ぶなどの内容でした。なので、大学の授業内で映画を撮ることはできませんでしたね。
タカノ:それでも在学中に短編映画『ファースト・ピアス』を制作されたんですよね?
木村:はい。ドキュメンタリーゼミにいた友人が「あなたは面白いはずだから映画を撮るべきだ」と言い、仲間を集めてくれたことがきっかけでした。専門知識を持つ人もおらず、キャストも友人たちという、まるで草野球チームのような手探りの制作でした。
タカノ:『天使たち』も非常に印象的でした。リアリティがあるだけでなく、歌舞伎町のダーティーな部分だけではなく、光の瞬間や美しさがありました。
Celeina:確かに場面の組み合わせが独特でしたね。
木村:皆が想像する典型的な歌舞伎町ではない姿を描きたいと考えていました。