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ブックディレクターの鈴木美波は、「本を通して人と人とをつなぐ」ことを大切に活動する

2025.7.25

#BOOK

グータッチでつなぐ友達の輪! ラジオ番組『GRAND MARQUEE』のコーナー「FIST BUMP」は、東京で生きる、東京を楽しむ人たちがリレー形式で登場します。

6月30日は、番組からの推薦で、ブックディレクターの鈴木美波さんが登場。本に魅了されたきっかけのほか、自身が企画するワークショップや読書会の内容、この夏オススメの本についても伺いました。

書店と編集の総合企業「SPBS」に15年勤務

Celeina(MC):鈴木さんは、昨年12月まで「SPBS(SHIBUYA PUBLISHING & BOOKSELLERS)」に勤務されていたとのことで。非常に興味深い品揃えの本屋ですよね。

鈴木:ありがとうございます。15年ほど勤務していました。

タカノ(MC):かなり長いですね。

Celeina:「SPBS」の歴史は何年ぐらいあるんですか?

鈴木:2008年にオープンしたので、17年目ぐらいになります。

Celeina:初期の頃から、「SPBS」に関わられていたということですね。「SPBS」は書店と編集の総合企業で、店舗は奥渋谷のエリアにあります。店内からは編集部の様子がガラス越しに見える設計で、本のみならず、文房具やアパレル商品なども厳選して取り扱っているんですよね。

タカノ:鈴木さんは店長も務められていたのですか?

鈴木:はい。店長として勤務していた時期もありましたし、マネージャー、イベントの企画、ワークショップのブッキングなど、さまざまな役割を担っていました。

『フェルマーの最終定理』をきっかけに本の世界に引き込まれた

Celeina:書店で働こうと思われたきっかけは何かあったんですか?

鈴木:幼少期から熱心な読書家だったというわけではありませんが、サイモン・シンの『フェルマーの最終定理』という本を、予備校時代に先生から薦められて、勉強の合間に読んでいたんです。その本が非常に面白くて、そこから本の世界に引き込まれていきました。その後、大学時代に東京で過ごす中で本屋に通うようになり、図書館司書の勉強もしました。そうした経験を通じて、本の世界で生きていきたいと思うようになりましたね。

Celeina:『フェルマーの最終定理』はどのような内容なんでしょうか?

鈴木:「フェルマーの最終定理」という、数学の未解決問題があるんです。それに世界中の数学者が挑み、最終的に約350年をかけて証明されたという過程を描いた、ノンフィクション作品です。過去の定理や研究が積み重なり、その間に生きていた人たちの知の結集によってようやく解決に至るという、非常に感動的なヒューマンドキュメンタリーなんです。

ブックディレクターは、本を通じて人と人をつなぐ仕事

タカノ:そこで数学に興味を持たれたのではなく、本そのものに惹かれていったという点が興味深いですね。現在は「ブックディレクター」としてご活動中とのことですが、どのようなお仕事なんですか?

鈴木:ブックディレクターという職業には多様な役割がありますが、私は「本を通じて人と人とをつなぐ」ことが本質だと考えています。本をきっかけに関わった方々の生活が少しでも豊かになればという思いで活動していて、具体的には本づくりのワークショップや、作者さんによるイベント、ライブラリーの選書、ディレクション業務などを行なっています。

タカノ:本づくりのワークショップとは、製本みたいなことですか?

鈴木:企画から執筆、そして形にして本屋で販売するまでの一連のプロセスを体験していただくワークショップです。

Celeina:その作業は1人で行なうのでしょうか? それともチームですか?

鈴木:どちらの形式も経験がありますが、最近は個人で取り組む形が多いです。ご自身の作品を形にしていくというスタイルです。

タカノ:最近ではZINEフェスや文学フリマなども盛り上がりを見せていますし、個人で作ったものを発表したり販売したりするインディペンデントな動きが活発になっているので、そういった活動とも親和性が高そうですね。

鈴木:そうですね。個人で作品を作ることは可能ですが、制作途中で人に見てもらう機会が意外と少ないんですよね。なので、ワークショップの場で隣になった人と読み合って作るのは楽しいなと思いますね。

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