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誰もが持つダサい部分に、蓋をしないでいたい
タカノ:KerocchiさんはZINEも制作されているということですが、どのようなZINEなんでしょうか?
Kerocchi:『電柱を殴る』というタイトルのZINEです。普段、僕は真夜中によく電柱を殴っているので、そこからタイトルを取りました。
Celeina:本当の話なんですね!
Kerocchi:「自分の存在がここにあるのかわからない」みたいな感覚が常にあるんですが、電柱を殴ることで、その衝撃で「自分がここにいるわ」というのがわかるな、と思って。
タカノ:そういうことなんですね。内容はどんな感じなんですか?
Kerocchi:内容は、東京に来てからの暮らしのことを書いたエッセイです。元カノと笹塚駅でデートの待ち合わせをしていたけれど、9時間待っても来なかったとか、そういうダサい部分を書きたくて。
道を歩いている人たちは皆さん清潔な顔をされていますが、それぞれダサい部分とかを持っているじゃないですか。 そこに蓋をしてしまうと、もったいないなと思ったんです。そういうダサい部分を自分が書くことで、読んでくれた人が鼻で笑って、「こいつももがいて生きているから、私も頑張ろう」みたいに思ってくれたらいいなと思って書きました。
タカノ:ジャンル的に、純文学とか向いていそうですよね。
Kerocchi:本はあまり読んできていないんですよ。
タカノ:そうなんですか。よくこれだけの文章が書けるな、と思いました。
Kerocchi:実際に文章を書いたことはなかったのですが、頭の中では常に文章を書いていました。喋った後とかに、内容を文章に起こして、頭の中で添削して、反省してという感じで。それを紙に写す行為をしていなかっただけで、子供の頃から頭の中ではいつも文章を書いていた気がしますね。
タカノ:何か、昨日のお好み焼き女ちゃんさんと同じ匂いを感じます。ジャンルは違うんですけれど、天才的な空気感というか。