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「リピト・イシュタール」の田中かずやは、自転車屋で約1000本の輸入盤VHSも販売する

2025.7.1

#OTHER

グータッチでつなぐ友達の輪! ラジオ番組『GRAND MARQUEE』のコーナー「FIST BUMP」は、東京で生きる、東京を楽しむ人たちがリレー形式で登場します。

6月2日は、番組からの推薦で、東京・西早稲田で自転車屋「リピト・イシュタール」を営む田中かずやさんが登場。VHSテープを扱う自転車屋になった経緯のほか、人気のある作品や、1990年代カルチャーをフィーチャーしたポップアップイベント『REBOOT BRAINS』などについて伺いました。

ポップアップ『REBOOT BRAINS』ではVHSビデオテープを担当

タカノ(MC):実は、田中さんには先週一度お会いしているんですよ。今、新宿のマルイメン1階で開催されている『REBOOT BRAINS』というポップアップイベント(現在は終了)に田中さんも参加されているんですが、そこに僕が遊びに行って、ご挨拶させていただいたんです。

Celeina(MC):ポップアップイベントについては、番組でも以前ご紹介しましたよね。行ってみてどうでしたか?

タカノ:これが凄かったんですよ。1990年代の雑誌やVHS、ラジカセなどいろんなものが集まっていて、1990年代カルチャーが1つの部屋にギュッと詰まったような感じで。タイムスリップ感といいますか、おじさんホイホイといいますか、もう僕は興奮が止まりませんでした。あの空間で働かせて欲しかったです。

田中:ありがとうございます。『REBOOT BRAINS』では、僕はVHSを担当していて。あとはラジカセやウォークマン担当の方と、雑誌担当の方と3人でやらせていただいています。

Celeina:田中さんが出されているVHSは、どんな作品のものなんですか?

田中:輸入盤のVHSなので、字幕などはついていないですし、パッケージも紙ジャケットで、英語しか書かれていないです。皆さん「懐かしい」とおっしゃるんですが、日本で当時見ていたものとは、パッケージが違うので、実際には多分懐かしくないんですよ。だから、僕としては、インテリアとしてやっているというような形です。

タカノ:『ゴーストバスターズ』のビデオとかもありましたよね。もう、わくわくしちゃいましたよ。「よくあんなに集めたな」という感じもありましたし。

田中:自転車屋なのかビデオ屋なのかわからないですよね。

タカノ:そうですよ、自転車屋さんなんですよね。

Celeina:田中さんが営まれている自転車屋さん、「リピト・イシュタール」についても伺いたいと思います。もともと、1990年代カルチャーにまつわる自転車屋さんなんですか?

田中:初めからそういうコンセプトがあったわけではないです。家族経営の自転車屋で、開業してから23年目になります。コロナ禍では自転車もよく売れたんですが、コロナ禍が落ち着くと売れ行きが厳しくなったので、何か新しいことをやってみようと思ったんです。あまり趣味のものを仕事に入れたくなかったのですが、そうも言っていられなくなったので、最初は古着や雑貨、おもちゃ、雑誌とかから扱い始めました。

そのうちに、ひょんなことからテレビデオを入手したので、映画も大好きだから「お店で映画を流そう」と思いついたんです。字幕がない方がいいなと思ったので、輸入盤のVHSを集めていたら、あれよあれよという間にすごい量になってしまいました。

Celeina:VHSの取り扱いをされているのはここ数年のことなんですね!

田中:そうなんです。ビデオ販売を始めてから、まだ1年程しか経っていないんですよね。雑貨自体も始めてまだ2年なので、ビデオ販売でこれだけの反響をいただいていることには正直びっくりしています。

1990年代カルチャーと自転車、両方好きなお客さんが来てくれると嬉しい

タカノ:テレビデオ、懐かしいですよね。Celeinaさんは見たことがないんじゃないですか?

Celeina:テレビデオですか?

タカノ:そもそも知らないですよね。ビデオデッキ内蔵型のブラウン管テレビで、直接ビデオテープを入れる穴が開いているんです。

Celeina:なるほど! もの自体は見たことがあります。

田中:そういう懐かしいようなものたちが、ところせましと並んでいるお店なんです。

タカノ:自転車屋さんがあって、同じ空間にそれらの商品も置いてあるんですか?

田中:一応、「奥にある謎のビデオショップ」ということにしています。でも、もう前面に出ているから、「奥じゃないじゃん」という感じではありますね。どっちがメインなのかわからない、「自転車屋なの? これ」というような状態です。

Celeina:ちょっと込み入った質問なんですが、自転車とVHS、どっちの方が売れるんですか?

田中:込み入った質問ですね(笑)。それは自転車です。やっぱりうちは自転車屋ですし、物量が多いからというのもありますね。でも、最近はポップアップイベントなどにいろいろ呼ばれるようになったので、いろんなところに出向くんですけど、そういうときは雑貨やビデオだけ持っていくんですよ。『REBOOT BRAINS』もビデオオンリーでやっています。そういった場所では映画好きの人やカルチャー好きな人が足を運んでくれて、完全にお客さんが二極化しているという印象はあります。

ただ、たまに自転車を買いに来た人の中に、VHSなども好きで、両方見たかったという方がいらっしゃるんですが、そういうときはすごく嬉しいですね。お客さん全員がそうなってくれたら最高だな、ということで今はやらせてもらっています。

扱うVHSビデオは1000本ほど。人気作品は『パルプフィクション』

タカノ:今販売されているビデオは、全部で何本ぐらいあるんですか?

田中:去年数えたときには、1000本ぐらいありましたね。

タカノ:すごい数ですね!

Celeina:レアな商品も扱われているんですか?

田中:レアなものもあることはあるんですけど、うちではあまり貴重すぎるものは販売していないんですよ。アメリカですでに高価なものは、輸入すると大変な値段になってしまうので。ただ、僕が勝手に「1軍はこれだよね」と思っているようなものはあります。これさえラインナップしておけば「確実に動く」というものもありますし。

Celeina:何か、ショップ店員さんのような目線を感じますね。もしかして、アパレルのお仕事をされていたとか?

田中:アパレルの販売員をずっとやっていました。その経験がなかったら今はないと思います。ただ、接客業は長くやっていますが、服も自転車も、本当に自分の好きなものだったかというと、実はそうでもないんですよ。それが雑貨に関しては、自分が100%いいというものを仕入れて、お話ししたお客さんがそれをすごい笑顔で買っていってくれるので、今が一番楽しいかもしれないですね。つらい部分ももちろんありますけど。

タカノ:ちなみに、1軍はどんなラインナップなんでしょうか? 1作教えて欲しいです。

田中:確実に1番売れるのは、『パルプフィクション』ですね。

Celeina:確かに、映像美も楽しめる作品ですもんね。それをVHSのあの画質で見たいというのは分かる気がします。ものとしても、飾っておいてもかっこいいですし。

田中:日本のも輸入盤も全部統一であのジャケットなので、誰が見ても『パルプフィクション』だと分かるんですよね。飾っても映えるので、やっぱりそこは人気があります。それと『E.T.』と『バック・トゥ・ザ・フューチャー』あたりは絶対に動きます。

タカノ:納得です。1軍が好きな作品なので嬉しいです。

Celeina:ちなみに、私の幼少期の思い出の映画だと『ハムナプトラ』なんですけど。『ハムナプトラ』のVHSは置いてないですか?

田中:ありますよ。まさに、砂のように埋もれています。

タカノ:上手いなあ(笑)。

Celeina:かっこいい返しをいただきました(笑)。ぜひ、皆さんお店の方にも遊びに行っていただければと思います。

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