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出張料理人 / 現代美食家のソウダルアは、食を通じて自然と人間が一体となる感覚を伝える

2025.4.21

#OTHER

グータッチでつなぐ友達の輪! ラジオ番組『GRAND MARQUEE』のコーナー「FIST BUMP」は、東京で生きる、東京を楽しむ人たちがリレー形式で登場します。

4月1日は、「pdc_designworks」代表のやまざきたかゆきさんからの紹介で、出張料理人で現代美食家のソウダルアさんが登場。さまざまな土地に赴いて料理をすることになったきっかけや、現代の豊かな食文化を後世に伝えていく、現代美食家としての活動についても伺いました。

美食家として豊かな現代の食文化を後世に伝えたい

Celeina(MC):ソウダさんのご活動内容について伺います。出張料理人、そして現代美食家というのは、具体的にどのような活動なのでしょうか?

ソウダ:出張料理人としては、日本全国、時には海外にも赴きます。その土地の自然や人々の営みの歴史や伝統食などを、フィールドワークを通じて体験して、感じ取ったものを料理として形にし、食卓に届けるという活動をしています。

また、現代は非常に多様な食材が手に入るので、これは人類史上でも類を見ないほど豊かな時代といえるかもしれません。ただ、自然環境の変化により、今後この豊かさが続くとは限らないので、この美食の時代ともいえる現代の食文化を記録し、未来に継承していくことを使命に、現代美食家として活動しています。自然が豊かであり、平和な世の中だからこそ、美味しいものを味わえるのだということを伝えていきたいです。戦争をしていたら、美味しいものは食べられないですからね。

タカノ(MC):「足るを知る」という言葉がありますが、まさに現代が豊かであることを見つめ直す視点ですね。1000年後の人々から見たら、今は豊かで贅沢な時代なのかもしれませんね。

ソウダ:そうですね。わずか100年前を振り返るだけでも、王侯貴族のような食生活が今では市民の暮らしの中にあるわけですから、本当に異常ともいえる豊かさだと思います。

Celeina:確かに、歴史の授業などで江戸時代の食卓の様子を見ると、当時は限られた食材の中で工夫されていたことが分かりますね。

ソウダ:まさにそうです。当時の市民たちは限られた食材を繰り返し使っていたわけですが、現代では朝はパン、昼は中華、夜はイタリアンといった選択がごく普通にできてしまいます。それだけ食の多様性が日常化しているのです。

出張料理人になったのは自然と向き合いたいから

タカノ:早くも大きな気づきを与えてくれましたね。ソウダさんが出張料理人になられたきっかけは何だったのでしょうか?

ソウダ:もともと子どもの頃から料理が好きで、趣味のように続けてきました。出身は大阪ですが、21歳で東京に出てきて、さまざまな飲食店で働きました。カフェ、レストランバー、和食のお店など、いろんなスタイルの店で経験を積み、27歳で独立して自身の店を持ちました。

その後、東日本大震災が起こり、食材の安全性に対する不安が強くなったことで、美味しい料理を提供するという以前に、安全であることの重要性に気づかされたんです。その時に一度店を閉め、もっと自然や生産の現場に触れたいと考えるようになりました。自然と向き合いながら料理をするにはどうすればいいかと考えた時、出張料理人というスタイルが自分に合っていると感じました。思いつきのように始めたのですが、気がつけば今も続けています。

Celeina:ソウダさんのInstagramでは、印象的な料理のスタイルが紹介されていますよね。長いテーブルに白いクロスのようなものを敷き、その上に料理が並んでいますが、あれはどのような演出なのでしょうか?

ソウダ:あの白いクロスは、撥水加工を施した和紙です。ソースなどを直接綺麗に描けるので、大きな1枚の器としても使えます。料理を1皿ずつ盛り付けるのではなく、大きな食卓を共有することで、自然をいただくという感覚をより直感的に体験してもらえると考えています。お皿に盛ると、どうしても自分のものだという「所有」という感覚が生まれてしまいますが、自然は本来、誰のものでもないものなので、皆で囲み、分かち合うというスタイルにしています。

Celeina:哲学が込められているのですね。和紙のクロスの上に広がる料理が1つの風景のようで、食材がオーケストラのようにも見えますね。

食事を通して自然と人が一体になれる

ソウダ:都市に暮らしていると、どうしても「自然」と「人間」とを切り離して考えてしまいがちです。しかし、自然の中で、その土地のものをいただくという行為は、その自然そのものを身体の中に取り込むということでもあります。食べることを通じて、自然と人とが一体となっているということを身体で体験できる、その感覚こそが料理を通して伝えたいことの1つです。

さらに、同じものを一緒に食べている人たちとは、胃袋の中の「中身」も共有されているわけです。そう考えると、人と人との間にある境界線も、案外ゆるやかなものなのかもしれません。「中身は一緒じゃないか」と思えるような感覚が、自然と生まれてくるのです。大げさに世界平和を目指しているといった話ではありませんが、それでも、自然と人との関係性、人と人とのつながりが、思っているほどは切り離されたものではないということをほんの少しでも感じ取っていただけたら嬉しいですね。

タカノ:このスタイルの料理、ジャンルとしてはどのように分類されるのでしょうか?

ソウダ:ジャンルというのは近代で出来上がったものなのであまり意識はせず、その土地のものを美味しくなるように作っています。調理法については、食材の産地の緯度に近い地域の調理法を参考にしていますね。たとえば、北海道のように寒冷な地域ではドイツや北欧などの調理法が合いやすいですし、瀬戸内海沿岸では地中海性気候に近いため、イタリアやスペインの調理法が自然とフィットします。食材と気候、文化が繋がっていることを大切にしています。

Celeina:私たちがいる東京の緯度に合う調理法にはどんな特徴がありますか?

ソウダ:東京のような温暖な地域は、人が集まりやすく、多様な文化が混ざる場所です。そのため特定の調理法というよりも、人と人が交わる場であるという側面が強くなります。気候が穏やかであるからこそ、さまざまな文化や技術が集まりやすいのです。

タカノ:本当に面白い視点ですね。地球や環境への意識も自然と深まります。ところで、ソウダさんの料理体験に参加したい場合は、どうすればよいのでしょうか?

ソウダ:Instagramなどでイベント情報をお知らせしています。招待制の場合もありますが、東京でのイベントなどではチケット制のものもございます。近日ですと、六本木ヒルズにあるアフリカのバラを扱う「アフリカローズ」さんにて、小さな料理イベントを予定しています。詳細は、アフリカローズさんの公式ホームページにて近日中に告知されると思います。

タカノ:ありがとうございます。ぜひ、ソウダルアさんのInstagramをチェックしてみてください。

Celeina:さあ、「FIST BUMP」はグータッチで繋ぐ友達の輪ということで、明日ご出演いただく方をご紹介いただいています。どなたをご紹介いただけますか?

ソウダ:デコトラ屋台「バック・トゥ・ザ・焼酎」の木田圭度さんをご紹介します。言葉では言い表せられないような、面白い男です(笑)。

Celeina:ありがとうございます。明日も楽しみです。「FIST BUMP」、本日は、出張料理人であり現代美食家のソウダルアさんをお迎えしました。ありがとうございました。

GRAND MARQUEE

J-WAVE (81.3FM) Mon-Thu 16:00 – 18:50
ナビゲーター:タカノシンヤ、Celeina Ann

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