グータッチでつなぐ友達の輪! ラジオ番組『GRAND MARQUEE』のコーナー「FIST BUMP」は、東京で生きる、東京を楽しむ人たちがリレー形式で登場します。
1月14日は熱波師としても活動されている、お笑いコンビ「四兆」の箸休めサトシさんが登場。熱波師の道を志したきっかけや、世界大会での独創的なパフォーマンスについてお聞きしました。
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偶然目にした「熱波芸人募集」をきっかけに、熱波師の道へ
Celeina(MC):まずは、プロフィールをご紹介させていただきます。大学卒業後、広告代理店に入社。2010年に退職されて、ワタナベコメディスクールへ入学し、ピン芸人として活動を開始。その後SMAに所属し、2021年にお笑いコンビ「四兆」を結成しました。芸人活動の傍ら、2010年からサウナ施設でアルバイトを始め、現在も熱波師として日本全国のみならず、世界で活躍されています。
はじめに、2010年から始められた、サウナ施設でのバイトとの出会いについて教えてください。
箸休めサトシ:ちょうどその時期に、お笑いのネタができるライブを探していたんです。そうしたら、「熱波芸人募集」というのを見つけたので、「なんだろう?」と思って応募してみたら、サウナ室でとにかくタオルを振って盛り上げる人を募集しているということだったんですよ。そこで、サウナ皇帝と呼ばれる井上勝正さんに出会って、その施設に来るおじいちゃんたちを相手に一緒に熱波をしていました。
タカノ(MC):そもそも熱波というのは、サウナ室の中でタオルを振って風を送ることですよね?
箸休めサトシ:はい。アロマ水を、焼けたサウナストーンにかけて、ジュッと上がった蒸気をお客さんに送るという仕事なんですが、ただそれだけだとつまらないので、盛り上げながら、皆さんと一緒に楽しく汗をかくというプログラムです。10年前はまだサウナブームが来ていなくて、サウナに来ていたおじいちゃんたちも熱波のことが分かっていないから、「そういうのはいらない! 相撲が見えねえからどけよ!」なんて言われながら、やっていましたね。
Celeina:そんな時代もあったんですね。
箸休めサトシ:でも僕たちが、「フィンランドでは、サウナストーンにアロマ水をかけて、蒸気を発生させることをロウリュウって言うんですよ。ロウリュウはすごく気持ちいいんですよ」と説明したら、おじいちゃんたちも「まあ、受けてやってもいいよ」みたいな。
タカノ:僕はサウナが好きだから、熱波師というと、サウナーたちの中ではリスペクトされているというイメージがありました。熱波師さんがいると、サウナ室が独特な空気感になりますよね。
箸休めサトシ:そうなんですよ。最近はサウナブームのおかげで流れが変わってきていて、サウナ室に入るだけで拍手して頂いたり、僕があおぐ時に拝みながら熱波を受ける人もいたりします(笑)。
タカノ:「ありがたやー」と(笑)。
Celeina:ちなみに東京近郊だと、どの辺りで活動されているんですか?
箸休めサトシ:僕は「スカイスパYOKOHAMA」で熱波をしていますが、他にも全国いろんなところにゲストとして呼んでいていただいて熱波をしています。
タカノ:最近は行けていないんですが、2年前ぐらいは「スカイスパYOKOHAMA」に入り浸っていたんですよ。だから、もしかしたら知らず知らずのうちに箸休めさんの熱波を受けていたかもしれません。
Celeina:タカノさんも箸休めさんを拝んで、蒸気をいただいていたかもしれないですね(笑)。
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熱波師の世界大会は、約100項目の基準で採点
タカノ:箸休めさんは世界でも活躍されているということですが、世界大会みたいなものに出場されたということですか?
箸休めサトシ:そうなんです。海外では熱波のことをアウフグースと呼んでいて、ショーアウフグースというものが行われているんです。世界大会では、上がった蒸気の風をタオルでしっかり送るということももちろん採点基準としてありますが、その他に、いかにタオルを綺麗に見せられるかとか、曲芸的に投げてキャッチしたり、ぐるぐる回したりできるかとかも、要素としてあります。
あとはショーなので、演劇もするんです。例えば海賊の格好をして、「ととのいの航海へ出かけるぞー!」みたいなストーリーを演じたりするんですが、そのストーリーの内容も点数に入ってくるんですよ。他にも、そのシチュエーションに香りが合っているか、最初から熱くしすぎてないか、お客さんが最後まで心地よくいられて、最後に熱くなってギリギリで出ているか、ということも採点基準に入っていて。採点項目が100個ぐらいあるんですよ。
Celeina:審査員もサウナ室に入って審査をするんですか?
箸休めサトシ:審査員もゲストと一緒に熱波を受けています。しかも世界大会の会場は、300人ぐらい入る体育館みたいなサウナ室なんですよ。
Celeina:300人も入れるサウナ室があるんですか?
箸休めサトシ:あるんですよ。
タカノ:世界大会はやっぱりフィンランドで行なわれるんですか?
箸休めサトシ:フィンランドは小さなサウナ室しかないんです。アウフグースの発祥はドイツなんですが、今ではヨーロッパ各地に広がっていて、イタリア、チェコ、ポーランドなどには、照明もしっかりしている大きなサウナ室がたくさんあるんです。
Celeina:まさにショーなんですね!
タカノ:演劇みたいな要素があるというのは、何人かでチームを作って出場されるんでしょうか?
箸休めサトシ:個人と団体があります。僕は日本代表として出場したんですが、プレーオフで優勝して、本戦で世界14位までいきました。
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バラエティ豊かな風を届ける。熱波師の技術を体感
タカノ:ちなみに、今日はJ-WAVEのスタッフがタオルを用意しておりまして。
Celeina:拝めるんですか?
箸休めサトシ:いいんですか? ラジオで伝わりますかね。
タカノ:もしかしたら、風が電波に乗って届くかもしれません(笑)。
箸休めサトシ:まずはピザという技から始めます。タオルをクルクル回して……。
タカノ:すごい! 本当にピザ生地を回しているようにタオルを回しています。
箸休めサトシ:皆さんに風を送りまーす! ラベンダーの香りをタオルにつけております。風の送り方も採点基準になっているので、同じ強さじゃなくて、優しい風を送ったり、強い風を送ったりしています。
Celeina:風にバラエティがありますね。
タカノ:香りがめっちゃよかったです。やっぱりすごく繊細ですね。まろやかな風もあれば、力強い風もあって、コントロールできるんですね。
箸休めサトシ:はい。世界大会では、サウナ室の蒸気もコントロールしながら競い合います。
タカノ:皆さんにも映像を見ていただきたいです。アクロバティックに、タオルをクルクル投げたり、持ち替えたりもされていましたね。
箸休めサトシ:フィギュアスケートみたいに、見ても楽しいという側面もあります。僕は日本代表としてやっていますが、若い子の中には、タオルを2つ使ってジャグリングのようにいろんな投げ方をしたりする子もいます。
Celeina:パフォーマンスの要素もいろいろと増えてきているということですね。