INDEX
「西新宿パンティーズ」への取材がきっかけで、様々なカルチャーと社会との接続に着目するようになった
Celeina:「カルチャーを通して、社会を考える」をテーマに、『inch magazine』をされていると思うんですけど、このテーマに至った経緯はまた別であったんですか?
菅原:そうですね。僕はずっと雑誌の編集とかをやってきたんですが、一時期『VICE Japan』という割と事象の深いところに切り込んでいくWEBメディアでライターをやっていたんです。
Celeina:ディープに切り込んだメディアですよね。私もYouTubeで映像作品を拝見しておりました。
菅原:そうなんです。「西新宿パンティーズ」というクィアラップグループに取材させていただいたことがあるんですが、メンバーにゲイの方がいて。日本語のヒップホップとかラップの世界は、クラブシーンも含めて、マッチョな男性が強いそうなんです。なので、メンバーの方たちはゲイであることを隠しながら、それでも好きで、クラブイベントに関わっていたりしたそうです。あと、レゲエも男性的というか、同性愛嫌悪みたいな表現が多い音楽なんですが、そういったレゲエシーンにいたセクシャルマイノリティの方が、実は新宿二丁目でヒップホップとかレゲエのイベントを独自にやっていたという話を聞いて。
僕はカルチャーの1側面だけしか見てなくて、実はもっと色々な人が関わっていたりとか、社会との接続があったりするんだなということを知って、もう少し広い視野で、既存のカルチャーを見ようと思いました。
タカノ:なるほど。カルチャーを深掘りすると、戦争などの色々な過去の歴史や、差別を受けてきた人たちの背景、今社会で問題になっていることが見えてくるということに、クィアのラップクルーを取材して気がつかれたということでしょうか。
菅原:取材の時に聞いた言葉が本当にズキンときたというか。新宿二丁目のような場所でも、ラップイベントやレゲエイベントをやったりして活動されていると聞いて、全然見えてなかったな、こういう世界もあるんだなと気づいたという感じです。
タカノ:実際にアクションを起こして『inch magazine』も2号まで発行されているとのことですが、第3号は制作中ですか?
菅原:はい、今作っています。
Celeina:テーマなどお伺いできたりしますか?
菅原:イギリスの黒人の社会、ブラックブリティッシュをテーマにしようと考えています。黒人のカルチャーというとアメリカをイメージされることが多いんですけど、イギリスはジャマイカやアフリカなど、もともとイギリスの植民地だった国からの移民が多く、そういった方々が作っているドラマとか映画がすごく面白くて。例えばNetflixでやっている『トップボーイ』というドラマは、ギャングの抗争ドラマなんですけど、実はイギリスに渡ってきた人たちの構造的な差別などの社会問題を描いている結構奥深いドラマなんです。そういったイギリスの黒人社会をテーマに作っています。
Celeina:分厚い内容になりそうですね。引き続き活動を楽しみにしております。さあ、「FIST BUMP」はグータッチで繋ぐ友達の輪ということで、お友達をご紹介していただいています。どんな方をご紹介していただけますか?
菅原:代田橋駅前にある書店「バックパックブックス」店主の宮里祐人さんをご紹介します。
Celeina:明日は「バックパックブックス」店主の宮里祐人さんに繋ぎます。「FIST BUMP」、本日は『inch magazine』の菅原祐樹さんをお迎えしました。ありがとうございました。

GRAND MARQUEE

J-WAVE (81.3FM) Mon-Thu 16:00 – 18:50
ナビゲーター:タカノシンヤ、Celeina Ann