グータッチでつなぐ友達の輪! ラジオ番組『GRAND MARQUEE』のコーナー「FIST BUMP」は、東京で生きる、東京を楽しむ人たちがリレー形式で登場します。
2月20日は、代田橋駅前にある書店「バックパックブックス」の店主の宮里祐人さんからの紹介で、渋谷のミュージックバー「Tangle」の店主のマイケルさんが登場。「Tangle」という店名に込めた想いや、曲のセレクトなどについて伺いました。
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座っていてもいいし、踊ってもいい。自由に音楽を楽しめる「Tangle」
Celeina(MC):「Tangle」は渋谷にあるとのことですが、場所はどのあたりになりますか?
マイケル:住所でいうと道玄坂なんですけど、道玄坂の表の方じゃなくて、裏のちょっとおとなしい方でひっそりやっています。
Celeina:渋谷マークシティの近くでしょうか?
マイケル:そうです。
タカノ(MC):お店を始めてどれくらいになりましたか?
マイケル:2015年12月に初めて、去年の12月で丸9年になりました。今は10年目を走っているところです。
Celeina:アニバーサリーイヤーですね!
タカノ:「Tangle」はどんなお店なんでしょうか。
マイケル:ミュージックバーなんですけど、1人で座ってゆっくり聴いていてもいいし、踊り出したかったら踊ってもいいし、立ち上がってゆらゆらしてもいいお店です。誰かの楽しみを邪魔しないやり方であれば、人それぞれ自由に楽しんでもらえるような空間を小さいながらに作っています。
タカノ:素敵ですね。
Celeina:お店は何席くらいあるんでしょうか?
マイケル:カウンターが6、7席と、テーブル席が1個あって、通常営業の時はその形でやっています。たまに週末にパーティーのような形でイベント営業をやるんですけど、その時はテーブルを端に寄せて荷物置きにして、みんなが立って踊れるようにしています。
Celeina:いいですね。お店は渋谷駅から割と近い位置にありますよね。
マイケル:距離的には近いですね。特に井の頭線の渋谷駅からだと歩いて5分くらいで来られると思います。
Celeina:なんで渋谷にお店を出そうと思ったんですか?
マイケル:「何となく」というのが正直なところなんですけど(笑)。新宿に「新宿Rock’in ROLLING STONE」という42年やっていたロックバーがあって、そこに客として遊びに行ったり、DJを始めたりして、本当にたくさん遊んでいろんなことを教えてもらったんです。なので、最初は新宿で始めたいなと思っていたんですけど、物件を探していく中で今のお店の場所に縁があったので、渋谷でやらせていただいています。
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「こんがらがることを忘れずに、恐れずに」という思いで店名をつけた
タカノ:行きやすい場所でいいですよね。「Tangle」というお店の名前は、どういう意味なんですか?
マイケル:ボブ・ディラン(Bob Dylan)の”ブルーにこんがらがって(原題:Tangled Up In Blue)”という曲から取りました。なぜそこから取ったかというと、例えば飲食店に行っても食券ですぐに商品を買えたりとか、人とコミュニケーションを取らなくても、曲を作ってすぐにパソコン上にアップしてリリースできたりとかできるじゃないですか。それは便利でとてもいいことだとは思うんですけど、自分が青春期に夢中になった音楽や映画は、アーティスト、レコード会社の人、プロデューサーなど、いろんな人が意見をぶつけ合いながら生まれた作品だったんじゃないかなと思ったんです。便利な世の中もいいけど、「こんがらがることを忘れずに、恐れずに」という意味を込めてつけました。
タカノ:めちゃめちゃいいですね。
Celeina:「こんがらがることを忘れずに、恐れずに」ってすごくしっくりきました。
マイケル:ありがとうございます。
タカノ:音楽って1人で作れないからね。
Celeina:お話を伺ったところ、ちょっと昔の音楽が好きなのかな? という印象を受けたのですが。
マイケル:1950年代の音楽とか戦前のブルースとか、そういった古い音楽ももちろんすごく好きなんですけど、今のインディーミュージック、実験音楽、ノイズ、エクスペリメンタル、新しいジャズなども好きです。ジャンルも新旧も問わずなんでも聴きます。
Celeina:幅が広いですね。お店での音楽のセレクトはどういう感じでやられているんですか?
マイケル:ロック、ソウル、ファンク、ジャズ、エレクトロニック、アンビエント、レゲエ、ダブ、エクスペリメンタル、ブルース、フォークなど、いろいろあるんですけど、来てくれるお客さんの雰囲気を見てセレクトしています。リクエスト制じゃないんですが、服装を見て「こういうの好きかな」とか、年齢で「こういうのが世代かな」と考えたりして、お客さんが好きそうな曲をかけたりします。ただ、知っている曲がかかって嬉しい気持ちは僕もわかるんですけど、知らない音楽もせっかく来たなら持って帰ってもらいたいですね。新しい知らない音楽を聞いて、楽しんでもらえたら1番嬉しいです。お客さんが知っていそうな音楽と、知らなそうな音楽のバランスを考えながらやっています。
タカノ:服装を見てってすごいですね。
Celeina:ちょっと緊張してしまいますね。
マイケル:何となくやっぱり服装に出ますよね。
タカノ:わかる気もします。マイケルさんに「こういう気分なんですけど、いい曲ないですか?」とお店で相談したいですね。
マイケル:押し付ける時もあるので、うまく応えられるかはわからないんですが(笑)。
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部屋にいるような気分でリラックスしながら、新しい何かと出会う興奮を感じてほしい
タカノ:いや、押し付けてほしいくらいです。そして、今日はそんなマイケルさんに、番組のために1曲選曲していただいています。こちらはどんな曲でしょうか?
マイケル:サム・ウィルクス(Sam Wilkes)というジャズベーシストの”How Insensitive”です。今お店を共同経営していて、公私共にパートナーのmioに選んでもらいました。現行の音楽で、去年リリースされたアルバムに入っているんですけど、ジャズといえど、ちょっとアンビエントっぽい感じもあるし、フォークっぽい良さもあって。鳴った瞬間に、その空間の雰囲気が変わる音楽ってあると思うんですけど、サム・ウィルクスのこの曲ないし、これが含まれている『Sam Wilkes, Craig Weinrib, and Dylan Day』というアルバムはそんな1枚なので、今日は選ばせてもらいました。
Celeina:ありがとうございます。ちょっと聴いてみましょう。
Celeina:マイケルさんに選曲いただきました、サム・ウィルクスの”How Insensitive”でした。たしかに雰囲気が変わる感覚が伝わってきました。
マイケル:部屋で起きぬけに聴いてもいいと思うし、高速を運転している時に車で流したら、何か空間がぽっかり浮くような、そういうエネルギーがある音楽かなと思います。
タカノ:サム・ウィルクスいいですよね。僕も結構好きなんですが、この曲はチェックできていませんでした。
マイケル:この曲は去年出たやつですね。リリースが多いから追うのも大変だと思います。
Celeina:なんかちょっと今、「Tangle」に来たようなバイブスがスタジオに流れていますね。このサム・ウィルクスを聴きながら飲みたいお酒とかありますか?
マイケル:僕はビールとかウーロンハイですかね。バーだから小洒落たものを飲みたいという気持ちもあると思うんですけど、リラックスして部屋に来たような感じで、馴染みのあるお酒を飲むのもいいと思います。 渋谷って人が多くて疲れたりとか、用事が多いけど落ち着く場所がなかったりすると思うんです。でも、そういう人が渋谷に来た時に、ちょっと一息ついてもらったりもできるし、時には違和感を覚えることが新しい興奮へと繋がることもあると思うので、そういう風に新しい何かをリラックスとともに感じてもらえたらなと思います。
タカノ:いいですね。違和感も時には大事ですもんね。「Tangle」に行くと、新しい素敵な音楽との出会いがたくさんありそうです。
Celeina:渋谷に出かけた時に、ちょっと予定まで時間がある時とか、逆に友達とご飯を食べた後にちょっと飲みたい時にお邪魔したいですね。ちなみに、営業時間はどんな感じですか?
マイケル:平日は19時〜24時です。週末は19時〜深夜までですね。イベントによっては朝までやっていることもあります。
Celeina:イベントの情報はSNSでチェックできますか?
マイケル:そうですね。Xで情報は更新しています。
Celeina:皆さんぜひチェックしてみてください。「FIST BUMP」、本日は渋谷のミュージックバー「Tangle」の店主のマイケルさんをお迎えしました。ありがとうございました。

GRAND MARQUEE

J-WAVE (81.3FM) Mon-Thu 16:00 – 18:50
ナビゲーター:タカノシンヤ、Celeina Ann