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「こんがらがることを忘れずに、恐れずに」という思いで店名をつけた
タカノ:行きやすい場所でいいですよね。「Tangle」というお店の名前は、どういう意味なんですか?
マイケル:ボブ・ディラン(Bob Dylan)の”ブルーにこんがらがって(原題:Tangled Up In Blue)”という曲から取りました。なぜそこから取ったかというと、例えば飲食店に行っても食券ですぐに商品を買えたりとか、人とコミュニケーションを取らなくても、曲を作ってすぐにパソコン上にアップしてリリースできたりとかできるじゃないですか。それは便利でとてもいいことだとは思うんですけど、自分が青春期に夢中になった音楽や映画は、アーティスト、レコード会社の人、プロデューサーなど、いろんな人が意見をぶつけ合いながら生まれた作品だったんじゃないかなと思ったんです。便利な世の中もいいけど、「こんがらがることを忘れずに、恐れずに」という意味を込めてつけました。
タカノ:めちゃめちゃいいですね。
Celeina:「こんがらがることを忘れずに、恐れずに」ってすごくしっくりきました。
マイケル:ありがとうございます。
タカノ:音楽って1人で作れないからね。
Celeina:お話を伺ったところ、ちょっと昔の音楽が好きなのかな? という印象を受けたのですが。
マイケル:1950年代の音楽とか戦前のブルースとか、そういった古い音楽ももちろんすごく好きなんですけど、今のインディーミュージック、実験音楽、ノイズ、エクスペリメンタル、新しいジャズなども好きです。ジャンルも新旧も問わずなんでも聴きます。
Celeina:幅が広いですね。お店での音楽のセレクトはどういう感じでやられているんですか?
マイケル:ロック、ソウル、ファンク、ジャズ、エレクトロニック、アンビエント、レゲエ、ダブ、エクスペリメンタル、ブルース、フォークなど、いろいろあるんですけど、来てくれるお客さんの雰囲気を見てセレクトしています。リクエスト制じゃないんですが、服装を見て「こういうの好きかな」とか、年齢で「こういうのが世代かな」と考えたりして、お客さんが好きそうな曲をかけたりします。ただ、知っている曲がかかって嬉しい気持ちは僕もわかるんですけど、知らない音楽もせっかく来たなら持って帰ってもらいたいですね。新しい知らない音楽を聞いて、楽しんでもらえたら1番嬉しいです。お客さんが知っていそうな音楽と、知らなそうな音楽のバランスを考えながらやっています。
タカノ:服装を見てってすごいですね。
Celeina:ちょっと緊張してしまいますね。
マイケル:何となくやっぱり服装に出ますよね。
タカノ:わかる気もします。マイケルさんに「こういう気分なんですけど、いい曲ないですか?」とお店で相談したいですね。
マイケル:押し付ける時もあるので、うまく応えられるかはわからないんですが(笑)。