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NEWS EVENT SPECIAL SERIES

アートブック専門店「flotsam books」の小林孝行は、気負わずに来られるお店を目指す

2025.1.20

#BOOK

グータッチでつなぐ友達の輪! ラジオ番組『GRAND MARQUEE』のコーナー「FIST BUMP」は、東京で生きる、東京を楽しむ人たちがリレー形式で登場します。

12月30日は、番組からの推薦で、東京・代田橋にあるアートブックの専門店「flotsam books」の小林孝行さんが登場。お店を構えたきっかけや、出版を手がけた『ONSEN MMXXIV』の話などについて伺いました。

自身でセレクトしたアートブックを取り揃える「flotsam books」

タカノ(MC):年末のお忙しい中、ありがとうございます。

Celeina(MC):アートブックの専門店とご紹介しましたが、具体的にはどんな本がキュレーションされているんでしょうか?

小林:写真集や作品集、画集、展覧会のカタログ、作家が自分で作っているZINEという小冊子みたいなものを販売しています。

タカノ:アートブックの定義についてお伺いしてもいいですか?

小林:基本的にはビジュアルベースの本でしょうか。文字情報が少ないものが多いですかね。

Celeina:お店に置いている本は、小林さんがご自身でセレクトされているんですか?

小林:そうですね。僕が売りたいなと思った本などを仕入れるようにしています。

タカノ:なぜアートブックに魅了されていったのでしょうか?

小林:僕はもともと普通の小説や漫画も好きだったんですけれども、「flotsam books」を始めた当初、海外の方とやり取りをすることが増えまして。その時に、日本語の本よりも写真集とか画集とか、ビジュアルで見られるものだと、あまり言葉を介さないで同じ感覚で海外の人と分かり合えたみたいなところがあったんです。それからアートブックがメインになってきたという感じですかね。

タカノ:ノンバーバルのよさみたいなものもありますよね。写真だと、見るだけで国境を超えて感覚を共有できるというか。

気負わず気軽に店に足を運んでほしい

Celeina:ちなみにInstagramを拝見したところ、プロフィールに「何も考えてません、何も。don’t think, don’t feel!」と書かれているのが気になりました。「don’t think, just feel.」という言葉はよく聞きますけれど、どういう意味なのでしょうか?

小林:深い意味はないんですけれども、あまり考えなくても感じなくてもいいじゃん、みたいなところはありますね。

Celeina:もうちょっとライトに捉えてもいいんじゃない? みたいな。

小林:本当に気軽に来てほしいという気持ちがあったんです。アートと言うと少し構えちゃう部分があるかもしれないんですけど、そんなに構えてほしくないなと思っていて。なので、Instagramとかは割と適当にやっています。

Celeina:「楽しんでいいんだよ、気軽に行こう」みたいな、間口が広い感じはお客さんとしては嬉しいですよね。

タカノ:「flotsam books」は何年くらいされているんでしょうか?

小林:もともとオンラインで始めて、WEBで10年くらいやっていました。その後、2020年に実店舗を出して、そろそろ5年になるかなという感じです。

タカノ:なるほど。その前は別のお仕事をされていたんですか?

小林:その前は古本屋でずっと働いていました。古本屋で働いている時に、自分で自分の好きな本をもっと売りたいなと思って、並行してWEBで本屋を始めたんです。途中で働いていたお店を辞めて、独立しました。

友人の写真家の展示が、実店舗を出すきっかけになった

タカノ:そんな小林さんに、今日は本を1冊お持ちいただいています。こちらはどんな本なんでしょうか?

小林:こちらは、僕がお店を出すきっかけになった写真家・山谷佑介くんの『ONSEN MMXXIV』という本です。お店を出したきっかけをお話してもいいですか?

タカノ:もちろんです!

小林:以前はWEBショップだけをやっていたんですが、その頃から山谷くんがお客さんとしてずっと買ってくれていたんです。近所に住んでいたこともあって、途中から会うようになったりして、仲良くなりました。

「実店舗とかあったらいいと思っているんだよね」という話は以前から彼にしていたんですけど、そうこうしているうちに、山谷くんが自分の作品の展示をしたい場所を見つけてきたんです。そうしたら、「俺ここで展示やりたいんで、小林さんその後お店やってくれません?」みたいな無茶ぶりをされたんですよ。なんだかんだで、僕はその後本当に実店舗を出すことになったので、彼がきっかけをくれたようなものなんです。

野湯を巡った写真集『ONSEN MMXXIV』を「flotsam books」から出版

小林:山谷くんは写真を始めた頃から「野湯」と言われる、自然の中にある温泉に行って写真を撮るということをやっているんですが、10年以上続いているシリーズになっているんです。それらをまとめて出版したいとなった時に、「flotsam booksから出せないか」という話が出て、作ったのがこの本なんですよ。

タカノ:野湯を巡って撮られた写真ももちろんですし、文章もあって盛りだくさんの内容ですね。紙の質感とかもいいですね。和紙みたいなちょっとざらついたテクスチャというか。

小林:もともと山谷くんが自分の知り合いとか家族と一緒に野湯を巡っていたんですが、途中からZINEで参加者を募集するようになって。最近では、SNSを通じて「一緒に行きませんか」と参加者を募ってみんなで行くということも始めていたんです。

Celeina:面白いですね。

小林:そうすると、本当に初対面の人が集まってくるらしくて、その時の会話がすごく面白かったので録音していたそうなんです。その内容を今回文字起こしして、盛り込んでいます。読む人も、自分もその場に一緒にいるような感じが味わえるかなと思います。

タカノ:臨場感が感じられそうですね。まさに野湯カルチャーがつまった1冊。こちら「flotsam books」で購入できますか。

小林:うちでも販売していますし、全国で取り扱い書店も増えているので、色々なところで見られるかと思います。

タカノ:みなさんぜひチェックしてみてください。

Celeina:さあ「FIST BUMP」、グータッチで繋ぐ友達の輪ということで、お友達を紹介してもらっています。どんな方をご紹介くださいますか?

小林:インディペンデントで服を作っている、ファッションデザイナーの長賢太郎さんです。たまたまこのラジオの話をもらった時に、お店にいたんですよ。

Celeina:お隣にいたんですね。

小林:もともとお客さんだったんですけど、すごくノリも合う人で仲もいいので、ぜひ出てみないかとお誘いしました。

Celeina:楽しみです。明日は長賢太郎さんをお迎えしたいと思います。「FIST BUMP」、今日は「flotsam books」の小林孝行さんをお迎えしました。ありがとうございました。

GRAND MARQUEE

J-WAVE (81.3FM) Mon-Thu 16:00 – 18:50
ナビゲーター:タカノシンヤ、Celeina Ann

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