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作家のオルタナ旧市街は、初の小説で美味しくない食事を解像度高く描写する

2024.12.31

#BOOK

グータッチでつなぐ友達の輪! ラジオ番組『GRAND MARQUEE』のコーナー「FIST BUMP」は、東京で生きる、東京を楽しむ人たちがリレー形式で登場します。

10月21日は番組からの推薦で、作家のオルタナ旧市街さんが登場。執筆活動を始めたきっかけや、10月29日に発売された初の小説『お口に合いませんでした』の執筆秘話を伺いました。

小学生の時の学級通信に、身の回りで起きたことを書いていた

Celeina(MC):今日は番組からの推薦で、作家のオルタナ旧市街さんをお迎えしました。

オルタナ旧市街:よろしくお願いします。

タカノ(MC):僕も以前から気になっていた作家さんで、文芸誌とかでお名前をよく見かけていたんですよ。すごくキャッチーな名前なので1度見たら忘れないですよね。

Celeina:SNSを拝見したところ、プロフィールに、イマジナリー文藝倶楽部「オルタナ旧市街」主宰、とありますが、これはどういうことでしょうか?

オルタナ旧市街:インターネットで執筆活動する上での、屋号みたいなものとして位置づけています。インターネットで文章を書いていたんですが、書いていくうちに、自分の考えとか好み含めた私個人の輪郭というものは、どんどん揺らいでいくものだなという感覚があって、それが面白いなと感じたんです。常に私は1人なんだけど、複数存在しているという感覚に、「倶楽部」という言葉を当てはめてみました。だから、倶楽部と言いつつ1人で活動しています。

Celeina:執筆は幼い頃からされてらっしゃいましたか?

オルタナ旧市街:そうですね。小さい頃から何かを書いたりするのは好きでした。発表するようになったきっかけは、やっぱりインターネットです。思いついたものをブログに綴ったり、ネットプリントを発行したりしていました。

タカノ:どんな言葉を綴っていましたか?

オルタナ旧市街:小学校の頃、昨日何を食べたかとか、今日あれしたこれした、ということを自分の感覚で書いていました。それを担任の先生が学級通信に載せてくれるようになったんです。

Celeina:文才は先生が見抜いていたということですね。

初の小説は口に合わなかった食べ物の記憶がベース

タカノ:そんなオルタナ旧市街さんですが、10月29日に初の小説『お口に合いませんでした』が発売されるということで。一足お先に読ませていただいたんですが、最高でした。都市生活者たちの群像劇的なお話で、「憂鬱グルメ小説」とも呼ばれているそうなんです。美味しくなさそうなお食事の描写がお上手で、そこが1本モチーフとして通っています。

オルタナ旧市街:口に合わなかった食べ物の記憶というものをベースにしました。

タカノ:以前番組にも来てくれた高瀬隼子さんが、帯を書いているんですよ。

Celeina:「食事はいつもおいしくて満たされて幸せ、なんてやっぱり嘘だった」と。

タカノ:そうなんです。良い意味で食欲がなくなっていくというか。

Celeina:新感覚グルメ小説という感じでしょうか。小説が13編収録されているんですね。

オルタナ旧市街:そうですね。ちょっとした群像劇になっています。

タカノ:主人公がそれぞれ違うんだけど、同じマンションに住んでいたりとか、絶妙な接点が存在しているところが、面白くて現実感があります。「ミートボールが消しゴムの食感」みたいな食べ物の描写が鋭いんですよ。

Celeina:東京を舞台に、美味しくない食事の記憶から、都市生活のままならさと孤独を描く憂鬱なグルメ小説ということで。これはどんな時に生まれた物語なんですか?

オルタナ旧市街:太田出版の担当編集さんと話していた時に、「書きたいテーマは何かありますか?」と聞かれて、食べ物のお話や本に昔からちょっと憧れがあったので、そういうのをやってみたいですねと話したんです。そうしたら、なぜか美味しくない方の話を書く羽目になってしまいました(笑)。美味しそうな心が温まるようなものを、と思っていたんですけど、実際打ち合わせを始めたら、担当編集さんと美味しくなかった食べ物の話でめちゃくちゃ盛り上がったので、それを本にするか! みたいな感じで始まりました。

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