INDEX
作品を作る前に、土地に関して行ったリサーチを地図に落とし込む
Celeina:今お話を聞いたところ、地理学などをたくさんお勉強されている印象を受けました。
菅野:作品を作る時に、最初に地図みたいな形のドローイングを描くんですよ。自分で調べたことだけではなくて、自分だけでは調べきれないことは、リサーチャーに渋谷の都市開発の歴史に関する本などを読んでもらって、知識を共有するんです。
タカノ:すごいですね。
菅野:感じ方はそれぞれ違ったりするので、色々な人に話を聞いて、それをまた地図に盛り込んだりして、その地図をもとにゲームの土地を構築していきました。 そしてゲームを構築した後に、またドローイングに戻って、という形で行ったり来たりしながら作っています。

タカノ:渋谷の捉え方が変わってきそうですね。歴史を踏まえて街を歩いてみるだけでも、今まで感じていた渋谷とまた違った側面が見えてくると思います。でも、さらにこの『明日のハロウィン都市』という作品に触れることで、また1個レイヤーが増えるような感覚がありますね。個人的に、ゲームエンジンで作られているこの3DCGの質感が、割と平成のテイストというか、3DCGゲームが出始めた頃の雰囲気が感じられるのも好きです。
菅野:ありがとうございます。
Celeina:この3DCGの質感については、何か影響を受けたものがあるんですか? 平成カルチャーを摂取してきたとか。
菅野:自分があんまり今のトゥルトゥルとした質感に興味がないんです。
タカノ:トゥルトゥルした質感という表現はわかりやすいですね。
菅野:もともと油絵科の出身なので、3DCGなどを専門的に勉強してきた人間ではないんです。なので、YouTubeを見てやり方を調べたり、友達に聞いたりとDIYな感じで作っていて、単純に技術的にできないみたいなところもあります。
タカノ:それがまたインディーズゲームのような独特の風味を感じさせますよね。
Celeina:この『明日のハロウィン都市』はどこかで見ることはできるんでしょうか?
菅野:現在期間限定で、ショートバージョンをInstagramに上げています。Instagramにアップしているのは映像なんですけど、実際に作品として展示する時は、空間を含めたインスタレーションとして楽しんでもらえます。ちょっと空間を歩き回って、さっきお話しした地図と見比べたりとか、お話みたいなものを傍に置いていたりするので、また展示は展示で違う体験になるかなと思います。
タカノ:今後展示の予定はあるんでしょうか?
菅野:今、東京藝術大学の油絵科の博士課程にいるんですが、12月に大学で、ごちゃごちゃした私の思考を論文にしたものに加えて、新しい作品を発表する機会があるので、そちらでも見られるかなと思います(現在は終了)。
タカノ:論文も読んでみたいですね。
Celeina:気になりますね。ぜひ、菅野さんのInstagramをチェックしていただければと思います。さて「FIST BUMP」、グータッチで繋ぐ友達の輪ということで、お友達を紹介してもらっています。どんな方を紹介してくれますか?
菅野:ジャグリングパフォーマーの結城敬介さんをご紹介します。
Celeina:ジャグリングというと、スーパーお手玉のような……?
タカノ:わかりやすいけど、ちょっと適切な表現かはわからないですね(笑)。物を投げてキャッチするパフォーマンスですよね。ラジオでどこまで表現できるのかも楽しみです。
Celeina:菅野さんとの繋がりも含めて伺いたいです。本日は現代美術家の菅野歩美さんをお迎えしました。ありがとうございました。

GRAND MARQUEE

J-WAVE (81.3FM) Mon-Thu 16:00 – 18:50
ナビゲーター:タカノシンヤ、Celeina Ann