グータッチでつなぐ友達の輪! ラジオ番組『GRAND MARQUEE』のコーナー「FIST BUMP」は、東京で生きる、東京を楽しむ人たちがリレー形式で登場します。
7月1日は、番組からの推薦で、「現代魔女」について研究し、自らも現代魔女として活動している、円香さんが登場。現代魔女としての活動や、5月に刊行したZINE『サイボーグ魔女宣言』の話などについて伺いました。
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現代魔女は、アメリカでは政治的な運動と結びついたムーブメントに
タカノ(MC):まず、現代魔女というキーワードが気になります。「魔女」と言えば、ジブリに登場するファンタジーな世界から、ホラー作品にも出てくるような怖い魔女まで、色々なイメージがありますが、円香さんが研究されている「現代魔女」とは一体何なのでしょうか?
円香:現代魔女というのは、大きいくくりだと、新異教主義と呼ばれる運動の中にあるものなんです。欧米には、簡単に言うと、キリスト教以前の宗教を復興させようとするペイガンと呼ばれる人たちがたくさんいるんですが、その人たちはアニミズムとか、自然崇拝、多神教などを実践しています。夏至の日に、ストーンヘンジにいっぱいヒッピーみたいな人が集まっている写真って見たことないですか?
タカノ:見たことあるかもしれません!
円香:まさにあの人たちですね。そういう異教主義(ペイガニズム)と呼ばれるものがあるんですけど、1940年頃に自分たちは魔女だと言い始めた人たちがいたんです。その当時は魔術は法律で禁止されていて、誰かが魔術をやったとかは言ってはいけなかったんですが、1951年にアンチ・ウイッチクラフト法という法律がイギリスで無くなったことをきっかけに、「私は魔女です」「私は魔術をやっています」と言う人たちが出てきちゃったんですね。もちろん当時は色々バッシングもあったんですけど、その運動がどんどん広がっていって、アメリカに飛び火していくんです。
そうすると、そこで想像しなかったような動きがあって、フェミニズムとかエコロジー運動とか、あとゲイリブ(ゲイ解放運動)や多くのクィアの人たちを巻き込んでいったんです。さらに、反核運動とか大きい政治的な運動みたいなものとも絡み合いながら、現代魔女は今すごく面白いムーブメントとして広がっています。私はアメリカにいた時にとても面白いと思って、興味を持ちました。でも研究するって言っても実践しないと分からないので、実際に魔女としてもやっているという感じですね。
Celeina(MC):アメリカにいらっしゃったということですが、何年くらい前ですか?
円香:私が住んでいたのは、コロナ禍に入るちょっと前あたりの2018年から2019年です。アメリカの西海岸のロサンゼルスとか、ハリウッドとか、そういうところではカウンターカルチャーがとても盛んなんですよ。みんな瞑想が好きだったり、魔女のお店というのがあって、儀式をやったりしているんです。
Celeina:魔女のお店ってどんなものが売られているんですか?
円香:ろうそくとかローブとか、あとハーブに本にタロットから太鼓まで……。何でも売っていますね。