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砂質も設計も異なる、日本とヨーロッパの砂場
タカノ:ヨーロッパの砂場は日本と違うんですか?
どろだんご先生:そうなんですよ。今日はサンプルを持ってきました。
タカノ:試験官がたくさん並んでいますが、ここにはいろんなタイプの砂が入っているんでしょうか?
Celeina:理科の実験室みたいですよ。
どろだんご先生:例えば、これはベルギーの公園の砂場の砂です。
Celeina:さらさらしていますね。
どろだんご先生:そして、こちらが日本の典型的な砂場の粒子です。見比べてみてください。
Celeina:全然違います! 日本の砂場の砂はとても粗いけど、ベルギーの砂は音が鳴らないぐらいサラサラしています。
どろだんご先生:圧倒的に砂粒の大きさが違うんですよ。本来0.075ミリから2ミリまでの粒子のことを砂と呼ぶんですが、日本のほうは、砂ではなく礫(れき)という粒子になるんです。
タカノ:じゃあ、日本は砂場じゃなくて礫場ということになるんですか?
どろだんご先生:はい、礫場になっているんです。完全な砂だけになっていなくて、一部に礫が入っているという現状です。
タカノ:ベルギーの砂は、色も見た目もテーブルコショウのような感じで、日本の砂は、粗引きコショウよりもちょっと大きいくらいですよね。大きさやサラサラ感が全然違います。
どろだんご先生:砂の粒子だけでなく、砂場の設計も違うんです。1番の違いは、砂場の中に水道があったりするんですよ。日本の公園は入口にしか水道がなくて、そこまで水を汲みに行って砂場に持ってくるじゃないですか。でも、砂場で遊ぶためには水が必要なので、砂場の中に水が出る装置があったりして、設計に遊び方がきちんと落とし込まれているんですよ。
Celeina:砂場の研究というのは、具体的にどんな研究をされているのでしょうか?
どろだんご先生:砂場の設計や粒子、海砂、川砂、山砂など、どんな砂を入れるか、雨で汚れが流れる設計にするためにはどうしたらいいか。あとは、子どもの空間把握能力は想像力の一部だと言われていますが、砂場が好きで遊んでいるかどうかによって、想像力の差が出るかというスコアの調査をして、論文を書くための研究データを集めたりしています。
Celeina:奥深いですね、砂場の世界。
タカノ:水はけのよさも、関係があったりするんですか? それによって、清潔度が変わるような。
どろだんご先生:あります。衛生管理をきちんとするには、雨水でちゃんと汚れが下に抜けるようになっているかが大事です。コンクリートのプールになって菌が繁殖している砂場もあるし、逆にクリーンに循環している砂場もあるので、菌数などをチェックしています。