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砂場研究家・どろだんご先生は、ヨーロッパと日本を比較してより良い砂場を突き詰める

2024.9.20

#OTHER

砂質も設計も異なる、日本とヨーロッパの砂場

タカノ:ヨーロッパの砂場は日本と違うんですか?

どろだんご先生:そうなんですよ。今日はサンプルを持ってきました。

タカノ:試験官がたくさん並んでいますが、ここにはいろんなタイプの砂が入っているんでしょうか?

Celeina:理科の実験室みたいですよ。

どろだんご先生:例えば、これはベルギーの公園の砂場の砂です。

Celeina:さらさらしていますね。

どろだんご先生:そして、こちらが日本の典型的な砂場の粒子です。見比べてみてください。

Celeina:全然違います! 日本の砂場の砂はとても粗いけど、ベルギーの砂は音が鳴らないぐらいサラサラしています。

どろだんご先生:圧倒的に砂粒の大きさが違うんですよ。本来0.075ミリから2ミリまでの粒子のことを砂と呼ぶんですが、日本のほうは、砂ではなく礫(れき)という粒子になるんです。

タカノ:じゃあ、日本は砂場じゃなくて礫場ということになるんですか?

どろだんご先生:はい、礫場になっているんです。完全な砂だけになっていなくて、一部に礫が入っているという現状です。

タカノ:ベルギーの砂は、色も見た目もテーブルコショウのような感じで、日本の砂は、粗引きコショウよりもちょっと大きいくらいですよね。大きさやサラサラ感が全然違います。

どろだんご先生:砂の粒子だけでなく、砂場の設計も違うんです。1番の違いは、砂場の中に水道があったりするんですよ。日本の公園は入口にしか水道がなくて、そこまで水を汲みに行って砂場に持ってくるじゃないですか。でも、砂場で遊ぶためには水が必要なので、砂場の中に水が出る装置があったりして、設計に遊び方がきちんと落とし込まれているんですよ。

Celeina:砂場の研究というのは、具体的にどんな研究をされているのでしょうか?

どろだんご先生:砂場の設計や粒子、海砂、川砂、山砂など、どんな砂を入れるか、雨で汚れが流れる設計にするためにはどうしたらいいか。あとは、子どもの空間把握能力は想像力の一部だと言われていますが、砂場が好きで遊んでいるかどうかによって、想像力の差が出るかというスコアの調査をして、論文を書くための研究データを集めたりしています。

Celeina:奥深いですね、砂場の世界。

タカノ:水はけのよさも、関係があったりするんですか? それによって、清潔度が変わるような。

どろだんご先生:あります。衛生管理をきちんとするには、雨水でちゃんと汚れが下に抜けるようになっているかが大事です。コンクリートのプールになって菌が繁殖している砂場もあるし、逆にクリーンに循環している砂場もあるので、菌数などをチェックしています。

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