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漫画家の川勝徳重は、昭和の漫画にある独特の暗さに魅力を感じる

2024.8.29

#BOOK

藤枝静男の『痩我慢の説』を漫画化

Celeina:川勝さんは19歳で漫画家としてデビューされたとお聞きしています。

川勝:もともと『ガロ』の編集者が運営していた、北冬書房の『幻燈』で描いていました。

タカノ:編集の方と息があったんですかね?

川勝:編集の高野慎三さんがすごく好きで、尊敬している方だったんです。

Celeina:なるほど。現在、川勝さんはweb漫画サイト「トーチweb」で連載中の『痩我慢の説』で劇画を担当されています。

川勝:藤枝静男さんの同名小説を原作にした、戦後の1957、1958年ぐらいを舞台にした漫画です。この漫画を描き始める前に、僕は編集者をやっていたんですが、漫画の持ち込みの際『痩我慢の説』の話をよくしました。というのも、この作品は芥川賞候補になっていたけれど、石原慎太郎に負けたのです。藤枝静男はそれを受けて「『太陽の季節』と『痩我慢の説』ではタイトルの時点で、どっちが勝つか決まっている」といったことを自虐的に語っていたんです。

だから持ち込みの方には「いまのタイトルだと「痩我慢の説」になっていますよ」とお伝えしていたのです。そんなことが続いて、ある日、久しぶりに小説を読み返したら、ボロボロ泣いてしまったんです。不意打ちでした。それで、漫画にしようと思いたったのです。

タカノ:絵のタッチからも当時の雰囲気を感じましたが、描き方を変えているのでしょうか?

川勝:アナログとデジタルの違いはありますが、大きく描き方を変えているわけではないです。でも、資料はしっかりと参考にしながら描いていますね。

Celeina:8月30日に単行本も発売されるとのことで、ぜひチェックしてみてください。「FIST BUMP」はグータッチで繋ぐ友達の輪ということで、お友達をご紹介していただいているのですが、川勝さんがご紹介してくださるのはどんな方ですか?

川勝:ミュージシャンで映像作家のバナナさんです。古本のオークションで毎回会う方で、色々と昭和漫画について教わっているのでお呼びしました。

Celeina:今日は漫画家で昭和漫画オタクの川勝徳重さんをお迎えしました。ありがとうございました。

GRAND MARQUEE

J-WAVE (81.3FM) Mon-Thu 16:00 – 18:50
ナビゲーター:タカノシンヤ、Celeina Ann

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