グータッチでつなぐ友達の輪! ラジオ番組『GRAND MARQUEE』のコーナー「FIST BUMP」は、東京で生きる、東京を楽しむ人たちがリレー形式で登場します。
4月18日は、シンガープロデューサーのleiftさんの紹介で、アニメ音楽プロデューサーの佐藤純之介さんが登場。音楽プロデュースで大切にしていることや、音楽に感動した作品などについて伺いました。
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テクノに影響を受けたライフスタイル
タカノ(MC):昨日ご出演いただいたleiftさんと佐藤さんは、長い付き合いなんですか?
佐藤:実は初めて出会ったのは楽器屋さんで。leiftさんが高価なシンセサイザーを購入して喜んでいるのをたまたま見ていて、その後Xで調べたらアカウントが見つかったんですよ。
タカノ:繋がっていない状態で「この人がシンセサイザーを買っていた人だ」となったんですね。
佐藤:ええ。その出会いとは別に、後日音楽ライターの方から「この人の音楽良いから聴いてみて」と紹介されたのがleiftさんの作品だったんです。その音楽が似合いそうなアニメがあったので、依頼をさせていただいて、正式にお知り合いになりました。
タカノ:そんな偶然があるんですね。シンセサイザーというキーワードも登場していますが、佐藤さんはイエロー・マジック・オーケストラとTM NETWORKに憧れて音楽活動をスタートしたとお聞きしています。
佐藤:坂本龍一さんの音楽を聴いて、学生時代に音楽を始めました。ピアノを習うのはハードルが高かったですし、エレクトーンも習い事の印象が強かったので、シンセサイザーを選んだんです。
タカノ:もしかして髪型もテクノカットですか……?
佐藤:そうです! 気づいていただけて良かった。
Celeina(MC):ライフスタイルにテクノが入り込んでいますね。佐藤さんは2006年にランティスに入社後、ディレクター兼A&Rとして最盛期には年間400曲以上の楽曲を制作されていたそうですが?
佐藤:この時はたくさん制作していました。
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作品への愛から始まる音楽プロデュース
Celeina:すごい量です。現在は独立されてフリーで活動されていらっしゃいますが、サウンドプロデューサーやディレクターとして『ラブライブ!』『おそ松さん』『アイドリッシュセブン』『ガールズ&パンツァー』などの作品に携わられたとのことで。
タカノ:すごいラインナップですよ。
Celeina:佐藤さんはアニメ音楽を中心に活動されていらっしゃいますが、実際に音楽をプロデュースする際、どこからスタートするのでしょうか?
佐藤:原作が存在するものは、まず原作を読んでいます。その後、この原作にとってどのような音楽が必要なのか、誰が主題歌を歌うべきか、どうすればバズるのかといった内容を考えます。クリエイティブの部分と売れる成分のバランスを大切にしながら、アーティストやクリエイターの方をご提案しています。
Celeina:まずは分析からスタートされると。
タカノ:あとは原作をしっかりと読まれるということで、愛の部分が大きいですよね。
佐藤:愛が一番大切です。監督や原作者の方が作った世界の中で、どれだけ大暴れして、喜んでいただけるようにするのかを考えているので。
タカノ:『ラブライブ!』は音楽を軸にしたコンテンツですが、プロデュースは難しいのでしょうか。
佐藤:『ラブライブ!』はディレクターとして現場での楽曲制作を主に担当したんですが、キャラクターがこの声色で歌っている時、どんな表情をしているのか、マイクは何を選ぶのかなど、細かな点までチェックしています。9人のキャラクターそれぞれの個性を作ることで、合唱していても耳を澄ませば各々の声が聴こえてくる作り方を意識しました。
Celeina:繊細なバランスが必要になってくるんですね。最近ではサウンドデザイナーのお仕事もされているそうですが、どのような音をプロデュースされたんですか?
佐藤:ゲームやアニメ音楽に必要な音をメインで制作しているのですが、もともとエンジニア出身でシンセサイザーが好きということで、ワイヤレスイヤホンをペアリングした瞬間になる音や電気自動車の接近音など、身の回りの音も作らせてもらっています。

Celeina:すごく重要なお仕事です。
佐藤:はい。単に良い音を作るだけでは駄目で、例えば人に近づいた時に危険を感じてもらえるのかなど、機能的な側面を教授の方と相談しながら作っています。
タカノ:確かに、危険を知らせる音は不快感を抱くようになっています。きっと私たちも気づかないうちに佐藤さんが関わっている音に触れていますよ。