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作品への愛から始まる音楽プロデュース
Celeina:すごい量です。現在は独立されてフリーで活動されていらっしゃいますが、サウンドプロデューサーやディレクターとして『ラブライブ!』『おそ松さん』『アイドリッシュセブン』『ガールズ&パンツァー』などの作品に携わられたとのことで。
タカノ:すごいラインナップですよ。
Celeina:佐藤さんはアニメ音楽を中心に活動されていらっしゃいますが、実際に音楽をプロデュースする際、どこからスタートするのでしょうか?
佐藤:原作が存在するものは、まず原作を読んでいます。その後、この原作にとってどのような音楽が必要なのか、誰が主題歌を歌うべきか、どうすればバズるのかといった内容を考えます。クリエイティブの部分と売れる成分のバランスを大切にしながら、アーティストやクリエイターの方をご提案しています。
Celeina:まずは分析からスタートされると。
タカノ:あとは原作をしっかりと読まれるということで、愛の部分が大きいですよね。
佐藤:愛が一番大切です。監督や原作者の方が作った世界の中で、どれだけ大暴れして、喜んでいただけるようにするのかを考えているので。
タカノ:『ラブライブ!』は音楽を軸にしたコンテンツですが、プロデュースは難しいのでしょうか。
佐藤:『ラブライブ!』はディレクターとして現場での楽曲制作を主に担当したんですが、キャラクターがこの声色で歌っている時、どんな表情をしているのか、マイクは何を選ぶのかなど、細かな点までチェックしています。9人のキャラクターそれぞれの個性を作ることで、合唱していても耳を澄ませば各々の声が聴こえてくる作り方を意識しました。
Celeina:繊細なバランスが必要になってくるんですね。最近ではサウンドデザイナーのお仕事もされているそうですが、どのような音をプロデュースされたんですか?
佐藤:ゲームやアニメ音楽に必要な音をメインで制作しているのですが、もともとエンジニア出身でシンセサイザーが好きということで、ワイヤレスイヤホンをペアリングした瞬間になる音や電気自動車の接近音など、身の回りの音も作らせてもらっています。

Celeina:すごく重要なお仕事です。
佐藤:はい。単に良い音を作るだけでは駄目で、例えば人に近づいた時に危険を感じてもらえるのかなど、機能的な側面を教授の方と相談しながら作っています。
タカノ:確かに、危険を知らせる音は不快感を抱くようになっています。きっと私たちも気づかないうちに佐藤さんが関わっている音に触れていますよ。