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映像ディレクターのウエノ・ジュリーは、藤子・F・不二雄とジャック・ラカンを意識する

2024.6.19

#ART

キャラクターを作る上で、ジャック・ラカンに影響を受けている

タカノ:先ほどはキャラクターを作る上で藤子・F・不二雄先生のお話が出ましたけれども、それ以外にも影響を受けた方はいますか?

ジュリー:この話を出すと面倒くさいと思われることが多いんですけれど、ジャック・ラカンという大昔の哲学者が好きで。

タカノ:構造主義みたいな。

ジュリー:構造主義の考え方も入っていますし、ジャック・ラカンの一番有名な考え方は「象徴界」「想像界」という考え方です。僕らの想像力はどこから来ているんだろう、という話で。例えば、太陽が出ていて、黒い雲で隠れてしまった。こういう現象が起きた時に、「太陽が隠れてしまった。悪いことが起きる前兆だ」と嫌な気持ちになってしまう人もいれば「これから雨が降るかも。ラッキー」と思う人もいるんですよね。前者は太陽信仰があるかもしれないし、後者は雨が降った日のデートが楽しかった、という経験があるかもしれない。前者でいう信仰、後者でいう経験が、ジャック・ラカンのいう「象徴」なんですよね。

この象徴が僕たちの創造を統制しているんですよ。だから僕たちが何かが起きた時に、想像をめぐらせたり感情が働いたりすることの裏側には、象徴があるんですよね。象徴は人それぞれ全然違っていて、キリスト教やイスラム教でも違うし、それが親だったりするかもしれないんです。これによって人格やキャラクターが決まってくる、ということがジャック・ラカンのざっくりとした解説なんですが、こういうことにすごく興味があります。

Celeina:めっちゃ面白い。

ジュリー:僕らって意外と自分の想像を変えることが難しいんですね。これを変えるには、その象徴の部分を理解する必要があって、僕の場合は、キャラクターに転化させていきたいんです。自分は変わるのが難しかったり、人も変わってくれなかったりするけれども、キャラクターであれば簡単にコントロールできる。そういうことも考えながら、キャラクターを作っています。

タカノ:YouTubeの解説動画を見ているみたいで、めちゃくちゃ分かりやすかったです。俺も勉強します。

Celeina:私も勉強したくなった。

タカノ:そして背景を知った上で、もう1回ジュリーさんの映像や作品を見ると、より解像度が高くなりますね。

ジュリー:僕のキャラは大体が虚無の目をしています。僕自身がそうなので。

タカノ:そんなことないですよ。素敵な眼鏡をかけてらっしゃる。

Celeina:さて『FIST BUMP』、グータッチで繋ぐ友達の輪、ということでお友達を紹介してもらっています。ジュリーさんが紹介してくださるのはどんな方ですか?

ジュリー:先ほど話に出たMUSIC CAMP 外氣浴外伝『NOTRACK』にも出演しているPONEYくんというラッパーの方です。

Celeina:一言で表すと?

ジュリー:「ラップ怪獣」ですね。彼ほどラップラップした人間は、なかなかいないんじゃないかと思います。

タカノ:明日お話しするのが楽しみです。

Celeina:明日はラッパーでギネス記録保持者の「ラップ怪獣」こと、PONEYさんに繋ぎます。今日お迎えしたのは、映像ディレクターのウエノ・ジュリーさんでした。ありがとうございました。

GRAND MARQUEE

J-WAVE (81.3FM) Mon-Thu 16:00 – 18:50
ナビゲーター:タカノシンヤ、Celeina Ann

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