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オリジナリティのある音楽が、聴かれる時代になってきた
タカノ:改めて、2005年からスタートしている『SYNCHRONICITY』ですけど、19年間やってきて、日本の音楽シーンの変化とか、ここが面白かったっていう点はありましたか?
麻生:これは僕の感じ方なんですけど、2010年から2012年って、同じような音楽が多いなっていう風に思った時なんですよね。それで続けるモチベーションが、あんまり保てない状況でもあって、「もしかしたら俺、おっさんになったかも」と思っていました笑。
そこから目覚めたタイミングが2013年頃なんですが、Yogee New Waves、Never Young Beach、D.A.N.、yahyel等といったオリジナリティのあるアーティストが現れてきて、「これは面白い時代に入ったな」「俺、おっさんじゃなかったかも」と思い直しました笑。余りにも同じように聞こえる音楽が多くて、新しい音楽に対しての感性が鈍っているんじゃないかなってちょっと思っていたので。
Celeina:自分の感度が落ちているんじゃないかと感じていたところで、新しい音楽に出会ってひらめきを得たという。
タカノ:でも、麻生さんも音楽活動されていたし、イベントもずっとやっていますから、本当にたまたま時代的にオリジナリティを追求しているアーティストが少なかったっていうのもあるかもしれないですよね。
麻生:そういうのもあるのかもしれないなとは、その時に思いました。それからは、徐々に独自性のある音楽が聴かれるような時代になってきた気がしているんですよね。
Celeina:例えば、SpotifyとかApple Musicとか、自分の携帯電話でいろんな音楽を一度に楽しめるような環境が整ってきたからこそ、独特なニューカマーが発掘されやすくなったのか、発掘されにくくなったのか。どっちだと思いますか?
麻生:発掘されやすくなったと思います。
Celeina:それが、ライブハウスでの音楽にも影響してきているという。
麻生:影響していると思います。
タカノ:そういうプラットフォームとか、デジタル的な進化とともに、トレンドって変わってきているかもしれないですよね。では、ここで1曲、麻生さんに選曲していただきました。選曲理由から聞いてもいいですか?
麻生:この間、武道館公演に行ってきたんですよ。それがめちゃくちゃ良くて、そのセットリストの1曲目が、この曲だったんですよ。Kroiで“Fire Brain”。