メインコンテンツまでスキップ
NEWS EVENT SPECIAL SERIES

キャバ嬢に恋したおじさんからBiSHまで。西澤裕郎は、変な人を追いかけ続ける

2024.5.14

#BOOK

グータッチでつなぐ友達の輪! ラジオ番組『GRAND MARQUEE』のコーナー「FIST BUMP」は、東京で生きる、東京を楽しむ人たちがリレー形式で登場します。

1月31日は、出版事業を行う株式会社SWの代表、西澤裕郎さんが登場。制作開始から6年経った今も出せていない本の話やWACK所属のアイドルグループの写真集『IDOL』制作の経緯、運営されているWEBマガジンのお話についてお伺いしました。

小説出版のきっかけは、キャバクラ嬢に恋をしたおじさんのツイート

Celeina(MC):まず、西澤裕郎さんのプロフィールをご紹介させていただきます。1982年生まれ長野県のご出身で、2017年に出版事業を行うため株式会社SWを立ち上げられて、元BiSHのモモコグミカンパニーさんのエッセイ『きみが夢にでてきたよ』や、 キャバクラにハマったおじさんの悲哀を描いた小説『嬢と私』(アセロラ4000著)などを刊行されています。また、WEBでストリートを愛するカルチャーマガジン『StoryWriter』を運営されているほか、『Rolling Stone Japan』にて編集業務行うなど、多岐に渡って活動をされています。

タカノ(MC):西澤さんの会社は小説も出版されているんですか?

西澤:はい。キャバクラ嬢に恋をした50歳のおじさんの小説『嬢と私』を2021年12月に出版しました。50歳のおじさんがキャバクラにハマっているという呟きを見て、「小説にしてみませんか?」と声をかけたのが始まりです。

Celeina:その方はどこで見つけたんですか?

西澤:当時のTwitterです。その方が僕をフォローしてきて、「この人なんだろう」と思い、連絡をとってみて話を聞いたら面白そうだったので、「ちょっと書いてみない?」という感じで声をかけました。

タカノ:西澤さんはその小説に、編集者として関わられたんですか?

西澤:そうですね。ああだこうだ言って原稿を修正してもらったり、恥ずかしがって、心の内を書いていないところを書くように意見を出しました。

Celeina:西澤さんは常にSNSをパトロールして、色んなものをチェックされているんですね。

西澤:はい。でも僕はわりと偏っているので、色々と見ていても引っかかるものはわずかです。

Celeina:西澤さんのフィルターを通過するものが数少ないんですね。

クリトリック・リスからBiSHまで。自分が作りたい本を作るために会社を設立

タカノ:もともと西澤さんは、出版社で勤務されていたそうですね。

西澤:はい。老舗の楽譜集などを制作していた出版社で、営業や在庫管理をやっていました。だから心の隅で、編集をやりたいと思いながら勤めていましたね。

Celeina:『OTOTOY』(音楽配信サイト)での勤務を経て、2017年に株式会社SWを立ち上げられました。ご自身で会社を立ち上げた理由を教えてください。

西澤:自社で、本を作って出したほうが早いと思ったんですよね。さっきのキャバクラのおじさんの小説も、会社に入って企画を出したら多分通らないはずです。そして、僕が一番最初に作りたかったのが、ミュージシャンのクリトリック・リスさんの自伝本でした。彼は当時50歳で「ハゲ!」とお客さんから野次られながらもパンツ1丁でライブをやっている、エモーショナルな人だったんです。でも、きっと普通に「この人の自伝本を作りたいです」と言っても、すぐにできないだろうという思いもありました。

Celeina:でも、一番最初に作りたいと思ったその自伝本は、いまだに出せていないんですよね?

西澤:そうなんですよ……。会社を立ち上げて6年経つんですけど、まだ出せていません。というのも、取材をしている中で、彼が50歳の時に、日比谷野音でワンマンライブをやりたいという話になったんです。日比谷野音は抽選で当たらないと会場が使えなくて、法人じゃないと抽選に応募できない。そこで、うちで応募したところ、200倍ぐらいの確率で、まさかの1発で当たっちゃって。そこから、お客さんを集めるために1年かけて音源をリリースしたり、イベントをしていったりして、日比谷野音のワンマンライブはなんとお客様が2000人も集まったんですよ。でも、そこで満足しちゃって、本の制作が止まっています(笑)。

タカノ:ちなみに株式会社SWが最初に出したのは、どんな本だったんですか?

西澤:最初はBiSHが所属していたWACKという事務所にいる、アイドルグループを撮影した『IDOL』という写真集を2019年2月に出しました。

Celeina:どういった経緯で出すことになったんですか?

西澤:WACK代表の渡辺さんとは、彼がWACKを立ち上げる前からの仕事仲間であり、飲み友達で、週4~5回のペースで飲んで、ああだこうだ話をする仲でした。お互いに独立して、色々とやり始めたところで、「何かやりたいね」という話になり、当初はBiSというアイドルグループの写真集を作ろうと計画したんです。BiSが47都道府県を回るから、それを撮影しようと。でも、30ヶ所を回ったあたりで、カメラマンのそってぃ(外林健太)さんが「うーん」と浮かない顔をしていて、「納得がいっている写真は何枚撮れたんですか?」と聞いたら、「1枚」と言われたんですよ(笑)。

Celeina:30ヶ所を回った後にですか?

西澤:そうなんです。だったらBiSだけじゃなくて、BiSHや他のグループも範囲に入れて、彼女たちの綺麗な部分じゃなくて、楽屋裏の部分だったり、アイドルの普段見せない部分も収めた写真集にしようということになりました。そういう経緯で出したのが、『IDOL』という写真集です。

Celeina:自伝本の時もそうですが、目的が変わっても、西澤さんが常に状況を聞きながら進めている感じがします。そういったところも、大事にされているのでしょうか?

西澤:できるだけ相手に寄り添いたいとは思いますが、でもどうしようもないというところもあります(笑)。あと、渡辺さんをはじめ、周りの方がフレキシブルにアイデアを出してくれることも大きいです。

タカノ:では、ここで1曲お届けしましょう。西澤さんにこの時間にラジオでみんなで一緒に聴きたい曲を選んでいただきました。どんな曲でしょうか?

西澤:僕が最近知り合って注目している、ALL INc.という会社が運営しているLiVSというアイドルグループです。運営陣がほとんど20代の子達で、運営を始めて半年ぐらいなんですけど、新しいことや面白いことをしようとしているのがとてもよくて。その楽曲を聴いていただきたいです。LiVSで“ONE”。

変な人がいたら取り上げる。WEBマガジン『StoryWriter』を立ち上げ

Celeina:西澤さんは『StoryWriter』というWEBマガジンも運営されていますが、そのコンセプトを教えてください。

西澤:一応ストリートを愛するカルチャーマガジンというコンセプトでやっていますが、僕が個人的に取り上げたいものや、好きなものを取り上げるWEBマガジンです。

Celeina:好きなものというのは、具体的にはどういったものを取り上げているんでしょうか?

西澤:さっき話したクリトリック・リスやWACKのアーティストもそうですし、あとはよくわからないけど、変な人がいたら取り上げたいと思っています。

タカノ:それは有名無名に関わらず?

西澤:関わらずですね。今でこそ、水曜日のカンパネラはメジャーで売れていますけど、OTOTOYで取り上げ始めた頃は、「とりあえず、ライブを観に来てくれ」とマネージャーでメンバーでもあるDir.Fに呼ばれて観に行ったら、なぜか後日事務所に呼ばれて物販の缶バッチを一緒に作らされたという(笑)。変な人だなと思ったけど追っていたら、大きくなっていって。面白いものはどこかで繋がっていくんだろうなという気持ちでやっています。

タカノ:『StoryWriter』をチェックしていたら、この世にはまだあんまり知られていないけど、面白いものが見つかるかもしれないですよね。

西澤:はい。ただ、コロナ禍のせいで現場がなくなったのと、以前は自分とインターンの子で運営していたんですが、スタッフが減ってしまったので、取り上げるコンテンツがさらにコアになってきています。だから、面白いものが好きな人はぜひ『StoryWriter』で書いてほしいです。

Celeina:インターン募集中ですね。

タカノ:西澤さんのSNSをフォローしてチェックいただければと思います。

Celeina: さあ「FIST BUMP」はグータッチで繋ぐ友達の輪ということで、お友達をご紹介していただいています。ご紹介していただけるのはどんな方ですか?

西澤:『BAYCAMP』という音楽フェスを主催している青木勉さんです。

Celeina:一言で表すと、どんな方ですか?

西澤:ポンコツ(笑)。本当は、ポンコツの前に、愛すべきをつけようと思ったんですが、ポンコツは本人の公認なので。

Celeina:安心しました(笑)。明日は音楽フェス『BAYCAMP』を主催している青木勉さんに繋ぎます。今日お迎えしたのは出版社SWの西澤裕郎さんでした。ありがとうございました。

GRAND MARQUEE

J-WAVE (81.3FM) Mon-Thu 16:00 – 18:50
ナビゲーター:タカノシンヤ、Celeina Ann

RECOMMEND

NiEW’S PLAYLIST

編集部がオススメする音楽を随時更新中🆕

時代の機微に反応し、新しい選択肢を提示してくれるアーティストを紹介するプレイリスト「NiEW Best Music」。

有名無名やジャンル、国境を問わず、NiEW編集部がオススメする音楽を随時更新しています。

EVENTS