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フォトグラファー・大辻隆広のこだわりは、自分にしか撮れない表情や内面を写すこと

2024.4.27

#ART

「表に出ている人間は意味があって、そこにいる」という師匠の教え

Celeina:師匠とアシスタントとの関係性のことで、ずっと聞いてみたかった質問があります。フォトグラファーの世界は、上下関係が厳しかったりするんですか?

大辻:人それぞれだし、時代にもよると思いますが、僕の師匠は仏みたいな人で、なおかつカッコよかったです。色んなスタッフの方を紹介してくださったり、毎晩飲みに連れて行ってくれたりました。もちろん大変でしたけど、あまり苦に思ったことはないです。当時は師匠みたいなフォトグラファーになりたいと思いながら、過ごしていました。

タカノ:当時、印象的だった師匠の言葉って何かありますか?

大辻:アシスタントになって初めて行ったのが、著名な女優さんの現場だったんですよ。終わった後に「撮影、どうだった?」と師匠に聞かれて、「すごく綺麗でした」と言ったら、「そういうことじゃなくて。表に出ている人間は意味があってそこにいるんだから、彼女が何故ここにいるかを少しでも感じとれる距離にいるのに、それを無駄にするのはもったいなくない?」と、サラッと言われた言葉が心に残っています。

タカノ:すごく大事な言葉ですね。

大辻:今もその言葉を大事にして、会う方々をリスペクトする気持ちは忘れずにやっています。

タカノ:大辻さんの作品を拝見すると、人物を撮られていることが多い印象がありますが、何かこだわりはありますか?

大辻:フォトグラファーによると思いますが、大前提として僕は人が好きなので、人物を撮りたいんです。もちろん、風景や物も好きですが、人物は見た目だけじゃなくて内面があるので、僕にしか撮れない表情や行動などが写し出されることが楽しいですね。もしかしたら、リンゴにも表情や内面があるのかもしれないですが、僕にとっては、その部分を人物に感じるということが一番大きかったです。

タカノ:現場のコミュニケーションでも撮る写真も変わったりしますよね。

大辻:コミュニケーションもあるし、ロケ撮影だと雨や風など天候の影響もあります。それに被写体の体調によって表情もすごく変わりますね。フォトグラファーとの相性もあるので、すごく面白いなと思います。

Celeina:その一瞬を切り取るっていう。

大辻:そうですね。だから、僕にしか撮れない写真ってなんだろうと思いながら、いつも撮影現場へ向かっています。

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