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『呪術廻戦』第1期のEDを担当、映像作家・長添雅嗣が大切にしているのは作品の重み

2024.1.8

#MOVIE

作品の根底にある、美しさやかっこよさをしっかり表現したい

タカノ:そして美大を卒業されてから、ミュージックビデオを撮るようになったという。きっかけは何だったんですか?

長添:美大を卒業してから、小島淳二監督に弟子入りしたんです。小島監督の下で、数年一応監督志望でアシスタントをやっていたんですけれども、タイミングってなかなかないもので。アシスタントなので、僕の作品集には1個も作品がない状態なんですよ。そんな状況で、もう自分で1本監督やりたいなと自信がついてきたタイミングで、レコード会社さんからミュージックビデオの企画コンペの話があったんです。そこで僕の企画を選んでもらって、ミュージックビデオを作り始めることができました。

タカノ:勝ち取ったということですよね。そこからアニメ作品にも幅広く携われていますが、『呪術廻戦』第1期のエンディング、僕、昨日改めて見返してみたら、長添さんの名前がクレジットにあって、「あ!」と思って。ちょっとパステルカラーっぽい感じのポップな世界観がありますよね。今エンディングの曲が流れていますけれども。

Celeina:ALIさんの”LOST IN PARADISE”。

タカノ:この曲にあの映像を合わせるというセンスが、僕はやっぱりセンスの鬼だなと思って。あれはどうやって作ったんですか?

長添:最初に描いたスケッチを持ってきたんですけど。

タカノ:貴重な! コンテのようなものですか?

長添:コンテの前ですね。アイデアを練り始める、一番最初のプロセスみたいなものです。映像なので本当は絵じゃ表現できないんですけど、1コマで表現するとどんな感じだろうというイメージスケッチを大体最初にするんです。

タカノ:いや、それでももう世界観そのままですね、静止画ですけど、あのエンディングのアニメーションをそのまま切り取ったというか。

Celeina:すごく貴重な資料ですね。

タカノ:改めて、色んな映像作られていますけど、何か一貫したこだわりとかはあったりしますか?

長添:多分どのクリエイターもそうだと思うんですけど、自分の作ったものを軽く見られたくない。アニメにしても実写にしても、クオリティを上げるというよりも、作品の厚みを増して、どんどん重くする作業をしたいというか。その点にこだわってブラッシュアップして作っていく。ちょっと抽象的ですよね。

タカノ:重くするという。だから心により残るという感じですよね。

長添:ということでもあるし、表層的なかっこよさを追い求めるので終わりたくない。もっと根底にある、美しさとかかっこよさをちゃんと表現して完成させたい。

タカノ:それはすごく大事なワードですよ。表現している方とか、もの作りに携わっている全ての方に対して、必要なマインドというか。

Celeina:いつまでも大事にしたい考え方ですよね。

タカノ:重くしていきましょう、我々も。さあ、でここで1曲挟みたいんですけど、長添さんにこの時間にラジオでみんなで一緒に聴きたい曲を選んでもらったんですが、どんな曲でしょうか?

長添:さっきちょっとお話ししたんですが、僕が初めて監督させてもらった映像作品がBOOM BOOM SATELLITESの”Kick It Out”のミュージックビデオなんです。その思い出の曲ですね。

タカノ:じゃあ聴いてみましょう。

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