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「大友克洋研究家」の鈴木淳也が目指すのは、漫画の世界の周期表のようなデータ基盤

2023.11.28

#BOOK

漫画の世界の周期表を作りたい

タカノ:評論ではなくて、事実ベースで何が起こっているのかを調べていると聞きました。これはどういうことなんでしょうか?

鈴木:何があって作品ができたのか、誰が関わったのかとかをまとめて、作品ができた経緯を明らかにしたいんです。それが分かって、評論できるのかなとは思っています。

タカノ:あくまでも客観的なデータとして扱っていて、アカデミックな感じですね。

鈴木:漫画の研究は大学とかでも行われていますが、基本的なデータが充実してないように思うんです。科学でいう周期表のような、漫画の世界の基盤になるようなデータを埋めたいですね。

タカノ:『AKIRA』の1巻は何冊ほど持っているんですか?

鈴木:15冊です。『AKIRA』は1984年に1巻が出ているんですが、今105刷まできているんですね。その刷りの度に、作者が意図しないまま色が変わったりしているので、チェックしています。

タカノ:なぜ色が変わっているところを調べているんですか?

鈴木:大友さんが印刷物のコントロールをしたい人なんです。初版の方は大友さんがチェックした色で出版されるのですが、刷りを重ねるごとに色が少しずつずれてしまうので、チェックしています。

Celeina:最新の研究の成果は何かありますか?

鈴木:去年から『大友克洋全集』が発売されまして、現在10巻ほど出ています。この中にあとがきがあるのですが、収集したデータを使いながら、このあとがきに書かれていないような事柄をまとめて、副読本のような解説書を、全集1冊に対して1冊発売しています。

タカノ:個人の方が作ったと思えないようなクオリティです。

Celeina:愛を感じます。

タカノ:さあここで1曲お送りしたいと思います。鈴木さんに、この時間にラジオでみんなで一緒に聴きたい曲を選んでもらいました。どのような曲でしょうか?

鈴木:RUSHの“Animate”という曲です。RUSHがグランジブームに影響されて1993年にリリースした『Animate』というアルバムの1曲目です。

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