グータッチでつなぐ友達の輪! ラジオ番組『GRAND MARQUEE』のコーナー「FIST BUMP」は、東京で生きる、東京を楽しむ人たちがリレー形式で登場します。
8月22日は下北沢の居酒屋「まぼねん」「おむかい」「まちなか」を営むnicoさんからの紹介で、イベント『STYLE BAND TOKYO』を主宰し、TempalayやMONO NO AWAREのマネジメントも手掛けるの菅友和さんが登場。個人で海外アーティストを招聘していた『STYLE BAND TOKYO』について、その人脈から繋がった現在のお仕事について伺いました。
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Myspaceで海外アーティストをブッキング
タカノ(MC):nicoさんが菅さんのことを「やさしい子猫」と言ってましたよ。
菅:僕も昨日の放送を聞いていて、すぐにLINEしたんですけど、本人的には「黒い捨て猫」と言おうとしたらしくて。でも、優しいディレクターさんが、捨て猫だとかわいそうだと思ったのか止めてくれたそうです。
タカノ:そういうことなんですね。
Celeina(MC):猫っぽい心当たりはありますか?
菅:僕は犬の方が好きなんですけど、nicoさん的には「ほっとけない」というニュアンスみたいです。
タカノ:なるほど。愛されキャラみたいな部分をnicoさんが感じているのかもしれないですね。
Celeina:菅さんのお仕事についてもお伺いしていきたいんですけど、ちょっとTシャツが気になりすぎちゃって。
タカノ:本当だ! サウナTシャツですか?
菅:そうですね。これは今日紹介する友人が作っているTシャツです。
タカノ:この話題は取っておきましょう。まずは『STYLE BAND TOKYO』がどういうものか教えていただけますか?
菅:今は活動していないんですけど、2007年に始めたクラブイベントです。海外でも活躍できるほどカッコいいのに、まだ知られていないアーティストをみんなに知ってほしいという気持ちと、そういったアーティスト同士が知り合える場所があったらなと思って始めました。


Celeina:どういった場所で行われていたんですか?
菅:一番初めは渋谷LUSHでやって、ちょっとずつclubasiaとか代官山UNITとかに規模を広げて、あとは海外のアーティストを呼んで日本中をツアーしました。
Celeina:海外アーティストのブッキングは大変じゃないですか?
菅:なんかできちゃったんですよね。インディーのアーティストでしたけど。
Celeina:海外のアーティストとは、どこで連絡を取り合っていたんですか?
菅:Myspaceで連絡をしていました。
Celeina:Myspace!
タカノ:久々に聞きましたよ。
Celeina:私はギリギリ触れていない世代なんですけど、先輩の人たちはやっていたイメージです。
タカノ:やってました。Myspaceでディグるのはいいですよね。
菅:めちゃくちゃMyspaceを使っていましたね。
タカノ:当時出演されていたアーティストで、有名になった方はいますか?
菅:海外で活躍している日本人のアーティストでいうとBo Ningenですね。彼らの日本でのエージェントみたいな形でライブやツアーを組んでいました。あとはLillies and Remainsも中国の大型フェスに出演したり、海外で活躍の場を広げているバンドです。
タカノ:この番組でBo NingenのTaigen Kawabeさんと電話でお話したことがあるんですよ。繋がりもあって嬉しいですね。
Celeina:このイベントではデザインにこだわられていたそうですけど、フライヤーとかにこだわったということですか?
菅:個人的な意見ですけど、当時のバンドシーンは洋楽ロックのリバイバルみたいなものが多くて、いなたい印象があって。MySpaceのページはコーディングをして自由に組み替えられたので、インタビューを載せたり、デザイナーを入れてホームページみたいにしたりしていたんです。当時はMySpaceを見る人が多かったので、結構食いついてもらえましたね。
Celeina:やっぱり最初はお金の部分で厳しいところがあるじゃないですか。その上でずっとモチベーションをキープしたコツはありますか?
菅:なんでしょうね。なんとなく最初からデザイナーもバンドも仲間みたいな意識で始められたことが大きかったのと、よくよく考えたらめちゃくちゃリスキーだけど、イベントをとりあえずやってみたらなんとか成功して、これは続けたら自分にとってもいいことがあるんじゃないかなっていう感触がありました。
タカノ:当時僕もMyspaceを結構見ていたんですけど、もしかしたら知らず知らずのうちに菅さんが手がけたアーティストページにアクセスしていたんじゃないかなって。
Celeina:ありえますね。
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『STYLE BAND TOKYO』の繋がりからTempalayへ
タカノ:現在はスペースシャワーでアーティストのマネージメントも担当されているんですよね?
菅:MONO NO AWAREとTempalay、昨日も番組で曲を流していただいた「小原綾斗とフランチャイズオーナー」、あとは「えんぷてい」というアーティストのマネジメントや制作を担当していて、今はイベントよりもこっちが本業になっています。
Celeina:2007年から始めたライブイベントから繋がっていますよね。
菅:そうですね。その場所で知り合ったディレクターや映像作家と今も一緒に仕事をしているし、裏方として活躍している人も多いので、出会いは大きいです。
タカノ:P-VINEでも新人発掘をされていたんですよね?
菅:そうですね。イベントよりも制作など音楽の根本的なところに関わりたい気持ちがあったので、2015年頃からP-VINEというレーベルで新人発掘やA&Rの仕事をやらせていただいて。その当時ライブハウスに通いまくっていたときにTempalayに出会いました。
タカノ:Tempalayと初めて出会ったときはどうでした?
菅:初対面のときは新宿MARZでお客さんが10人ぐらいしかいなかったんですけど、ステージの雰囲気が明らかに他と違うなと感じたんです。それで、終わった後すぐに話しかけに行ったんですけど、メンバーはベロベロに酔っ払っていて(笑)。ちょっと今日は帰ろうかなと思ったときに、たまたまボーカルの小原綾斗と会って名刺を渡したら、「ちょっと相談したいから寿司行こうや」って言われたんです。
Celeina:それがファーストコンタクトですか?
菅:ファーストコンタクトです(笑)。「奢るから寿司に行こう」と言われて、でもお金を持ってるようには見えなかったので、何度か断ったんですけど。
Celeina:断ったんですね(笑)。
菅:でも寿司に行って、そこから話がはずんで、リリースすることになりました。
Celeina:お寿司ってキーワードなの?(笑)
タカノ:それがTempalayのリリースに繋がっているわけですからね。面白い。まだまだお話を聞きたいのですが、1曲挟みましょうか。菅さんにこの時間にラジオでみんなで一緒に聴きたい曲を選んでもらいましたが、どんな曲でしょうか?
菅:Blurの“Beetlebum”です。
タカノ:来たー! 選曲理由は?
菅:僕が一番最初にくらった曲というか、音楽にのめり込んだきっかけになった曲なんです。(Blurが20年ぶりに出演した)『SUMMER SONIC 2023』にももちろん行って。音楽の原体験というか、少年に戻ったようでした。
タカノ:1曲聴いて、そのお話をしましょう。
菅:はい。
タカノ:『サマソニ』最高でしたよね。
菅:最高でしたね。5回ぐらい泣きそうになりました。
タカノ:わかるー! 菅さんはどの辺で見ていたんですか?
菅:僕はPAブースの目の前ぐらいまで、一緒に来ていた友達を捨てて1人で突っ込みました。
Celeina:愛が溢れてますね。
タカノ:グレアム・コクソン、良かったですよね。
菅:いやー、カッコよかったですね。泣きそうというか、泣いてました。
タカノ:僕も“Beetlebum”のイントロをグレアムが弾き出した瞬間に「うわー!」ってなりましたから。選曲してくださってありがとうございます。
菅:いやいや、Blurへ「日本に来てくれてありがとう」っていう感じですね。