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原作ファンが期待する2つの要素
最後に今回の映画で、原作ファンである筆者が楽しみにしている2つのポイントを紹介しておこう。 まず、アメコミファンなら誰もがその名を知る最強キャラの1人、ギャラクタスの登場が予定されていることだ。アニメやゲームでたびたびラスボスとして君臨する、「星を捕食する宇宙魔神」ギャラクタスの登場は、ファン達の長年の夢だった。

というのも、2005年の映画に登場したギャラクタスは、その実写化の困難さからから、巨大な雲のような存在として描かれており、ファンをがっかりさせたのだ。それが今回、コミックのビジュアルそのままでスクリーンに現れる。
銀河のバランスを取るために生み出された存在だが、地球だけは何度も食べに来ては失敗しているギャラクタス。唯一「食べる事ができない星」地球は、今回はギャラクタスを如何にして撃退するのだろうか。あるいは、撃退することができないのだろうか。楽しみなポイントである。

もう1つがH.E.R.B.I.E.の存在だ。ギャラクタスを探し出すためにリードに作られた、正式名称Humanoid Experimental Robot B-Type Integrated Electronics(人型実験ロボットB型統合電子機器)略してH.E.R.B.I.E.は、リードの優秀なアシスタントであり、彼らの家政婦であり、子供たちの遊び相手であり、欠かせない大切なファーストファミリーの一員である。
元々は1978年に放送されたアニメ『New Fantastic Four』で登場したアニメ用のキャラクターだったが、その誕生の背景には、当時、ヒューマン・トーチが他の会社の作品で使われていたため、権利の都合で使用できなかったという事情がある。代役として、ジャック・カービーとスタン・リーというアメコミレジェンドの2人によって新たに生み出されたのが、H.E.R.B.I.E.だったのだ。

そのため、コミック『Fantastic Four #209』に登場した際には、ザ・シングに「冗談じゃない! それはアニメのキャラクターじゃないか!」と罵られ、ヒューマン・トーチは「それを作るのだけは反対だ! 俺を入れ替えるつもりか!」と反対し、リードが「契約した時その場に君がいなかっただけだ!」と反論するという、メタな会話も飛び交った。2005年の映画化では、物置に置いてあるシーンは撮影されたものの、カットされ、ディレクターズカット版にのみ登場という不遇な扱いだった。
そんなH.E.R.B.I.E.も、キュートな見た目、仕草、優秀な計算能力から、今ではコミックシリーズのマスコット的存在となり、最新刊では彼が主役として活躍するストーリーも収められている。コミックファンにとって、H.E.R.B.I.E.の実写化はとても嬉しい出来事だ。スクリーンでもH.E.R.B.I.E.の予想以上の活躍に期待したい。
『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』

監督:マット・シャクマン(『ワンダヴィジョン』)
キャスト:ペドロ・パスカル(『マンダロリアン』、『キングスマン:ゴールデン・サークル』)、ヴァネッサ・カービー(「ミッション:インポッシブル」シリーズ、『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』)、ジョセフ・クイン(『ストレンジャー・シングス 未知の世界』、『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』)、エボン・モス=バクラック(『パニッシャー』、『一流シェフのファミリーレストラン』)
2025年7月25日(金)日米同時公開!
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
公式ホームページ:https://marvel.disney.co.jp/movie/fantastic4
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