DEAN FUJIOKA×SKY-HI×モーリー・ロバートソン鼎談

テーマ④「今バンドを組むとしたら」

SKY-HI：今バンドを組みたいんですよね。1人で何でもできる時代になって、しかもコライトで作ることも増えているからそっちにも可能性を感じるんですけど、たまにキャンプで同じメンバーで数日過ごすとコミュニケーションの精度が上がるのを感じるんです。だからバンドをやりたいなとはやっぱり思いますね。

DEAN：自分にとって、バンドといえばディストーションギターなんですよね。ジャズバンドとかもやったことはありますけど、やるとしたら歪んだサウンドのバンドかなと思います。

モーリー：いまはボタンを押す（シーケンスを流す）のが多いから、とにかくみんなでいっぱい音を出してるバンドがいいですね。チョッパーベースを弾きたいです（笑）。

テーマ⑤「恋愛と音楽について」

DEAN：恋愛と音楽について、自分はこう思いますっていうものはあんまりないんですよね。恋愛にフィットするような音楽ってもちろんあると思いますけど、自分は恋愛を盛り上げるために音楽をやっているわけでもないので。

DEAN：それよりは、音楽を仕事にすることーーミュージシャンや作家、歌い手としての役割を担う意味って何だろうと考えることがあって。生きていることを肯定的に思えたり、明るい気持ちや前向きに希望が持てるくらいでいいのかなと思っています。

テーマ⑥「DEAN FUJIOKAに期待したいこと」

モーリー：思うがままに羽ばたいて欲しいですね。太陽系で言うと木星くらいまでの、これまで築きあげてきたDEANさんのフォルムやコンフォートゾーンがあると思いますが、そこをあえて未確認の冥王星とか、太陽系のさらに向こうまで、リスキーなことに手を出して頂けないかなとワクワクしてます。

モーリー：私は録音機を通して聞いた自分の声に衝撃を受けましたが、そのショックが私を解き放ったわけです。DEANさんも、DEANさんを一番信じているファンの方々に、時々ショックを与えて解き放ってあげてもいいのではないかと思いました。

DEAN：なるほど。ちょっと痛みが強いやつを（笑）。

SKY-HI：今の話に関連して言うならば、DEANさんがアートフォームに毒や刺激を投影したときの、喉越しの良さ。ジビエは臭みとかエグみが強いと聞いていたのに、「これ本当に鹿肉ですか？」っていう料理を出されるのがDEANさんのすごいところだと思います。なので、思われるがままにDEANさんが作るはみ出したものをたくさん見てみたい、聴いてみたいと思いました。

最後は日本武道館への抱負を語る。「1人のアーティストとして武道館に立つ決心ができた」

DEAN：母親がピアノの先生だったこともあり、生まれる前から母親のお腹の中で音楽を聴いていて、音楽は自分にとって当たり前というか、自分の一部だなと思うんです。

ただキャリアとしては、いろんな仕事をやらせてもらっていますが、その中で音楽は後から遅れてスタートしたものの1つで。先行していた他の仕事があったので、音楽は先にビジネスとして成立させてもらえた部分があるんですけど、そこから逆算していろんな経験を積んできて、やっと自分が1人の歌い手として、音楽を使った1人の表現者として、胸を張って、ステージに立てるんじゃないかなと思いながら武道館の準備をさせてもらっています。

DEAN：ここからがスタートかなと思うし、そのスタートのステージで、もしかしたらモーリーさんがおっしゃったように、いきなり太陽系の外側に行けるかもしれないし、もしかしたら思ったほど遠いところじゃないかもしれないですけど、やっぱり冒険を続けていきたいなっていう気持ちは常に持っています。

もちろん言葉で届けたい思いもありますが、音楽やステージでのパフォーマンスを通して、歌い手として、どんな波動と共鳴をそこに生み出せるか楽しみであり、1つの神聖な儀式にも思えてきています。

9月23日の武道館でのライブ、ぜひ楽しみにしていてください。