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ライブと併せて製本ワークショップが開催された理由
今回のライブは、アルバム『Contact』のツアーの模様を記録したアーカイブブックのお披露目もかねている。といっても、完成した本をずらりとならべるというのではなく、かわりに会場には簡易的な製本工房がもうけられ、ライブの前後には希望者が実際に製本することができるワークショップも開催された。

そもそも、このライブに至る経緯には、アーカイブブックが深く関わっている。アーカイブブックの制作に携わったスタジオ、吉勝制作所の吉田勝信は、山形県大江町を拠点とする採集者 / デザイナー / プリンター。企業のプロトタイピングプロジェクト(*)を通じて吉勝制作所と出会っていた角銅は、『Contact』ツアーの新しいグッズを、吉勝制作所と制作することに決めた。2024年10月には、大江町のスタジオに滞在してグッズの制作合宿も行った。そのまま、吉勝制作所、そして山形との縁がアーカイブブックの制作につながり、『Contact × 山形』に至る。
*吉勝制作所が参加したコクヨのヨコク研究所によるプロジェクト「GRASP “採集的リサーチ手法”のプロトタイピング」で制作されたアニメーション「Digest The World もうひとつの臓器」に、角銅がサウンドディレクション・音楽で参加。 GRASP『Digest The World もうひとつの臓器』

開演時間から少しだけ押して、ふたたび5人が入場する。さきほどリハーサルで演奏していた“i o e o”から、ライブはスタートした。つまびかれるギター、アップライトベースやチェロのピチカートにはじまり、ゆっくりと『Contact』の世界が議場のなかに満ちていく。