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2020年代のオルタナシーンはなぜ盛り上がってる? エモリバイバル以降の流れを総括

2025.8.1

#MUSIC

中国のオルタナシーンの盛り上がりと、日本との関係性

ー中川くんは近年どこの国が面白いと感じていますか?

中川:中国はいつもWUTANG RECORDSの人がプロモーターをやってくれるんですけど、その人は水中スピカで大成功してて、大きい会場では1000人ワンマン、他の会場も400〜500人のところが10〜15本ソールドしてて。

水中スピカ「Triage」Official Music Video

中川:そのレーベルの人に中国のシーンのことを聞いたら、中国はChinese Footballが何よりもでかいと。彼らが出てきてから、10〜20代の若い子が、「エモかっこいい。アメフト最高」みたいになって、それで今はエモバンドが各地にいて、人気があると。socccer.のこともエモバンドとして紹介してくれて、実際は僕らのライブは「10分エモ、40分激情」みたいな感じなんですけど(笑)、でもみんな聴いてくれて。

Chinese Football『Here Comes a New Challenger!』(2017)
soccer.『Seasons Move Forward』(2024)

ー中国にも激情系のシーンってあるんですか?

中川:Bennu is a Heronっていう、広州のバンドがいるんですけど、そのメンバーと前話したときに言ってたのは、「中国ではChinese FootballとAmerican Footballの流れでエモが流行ってるけど、でもCap’n Jazz(※)が好きなエモファンは一人もいない。だから激情は流行らない」って言ってて。

※ティム・キンセラとマイク・キンセラの兄弟を中心に1989年にシカゴで結成されたバンドで、このあとに数多く結成されるキンセラ兄弟絡みのバンドの原点とされる存在。弟のマイクが後にAmerican Footballのフロントマンとして活動を開始する。

辻:でもそれは日本とも似てるかもね。日本でもCap’n Jazzまで行ってる人はあんまりいない気がする。

ー最初にChinese Footballを知ったときは「その名前でいいの?」と思ったけど(笑)、本国での影響力は絶大なんですね。

中川:めちゃくちゃでかいみたいです。あと中国に行くと実感するのは、Googleない、Instagramない、Xない、facebookない、LINEない。なので、僕らがいくらInstagramで告知をしても、全然広まらなくて。ただ向こうにもWeiboっていう中国版Xとか、rednoteっていうInstagramみたいなものがあるから、そこで告知をすることがすごく大事で、向こうのプロモーターはそこを頑張ってくれるんです。

ー今は日本のバンドがどんどん海外に行くようになって、向こうも日本のバンドを呼びたい熱が高まってるし、SNSを見ればいろんな言語の書き込みが増えてる。そこはやっぱり以前とは変わった部分で、一昔前は駆け出しのバンドがすぐに海外でライブをするのは難しかったけど、今だったらもうひとひらとかも中国でやってたりしますよね。

中川:ひとひらも今度1000人キャパでやるみたいで、それも同じプロモーターなんです。

辻:picture of herとかeuphoriaみたいな2000年代から活動しているバンドも中国のめっちゃでかいフェスに出てて。本人たちも不思議がってるけど、そういう需要があるみたい。

ー近年日本のシューゲイザーが世界的な注目を集めていたり、これからまた新たな盛り上がりがありそうですよね。

辻:それこそthe cabsも楽しみですよね。一太(ドラムの中村一太)はずっとドイツにいたから、海外のthe cabsファンからの声をめちゃくちゃ聞いてたみたいで、それももう一回やろうと思ったきっかけとして大きいらしいです。

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