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コロナ禍を経て近づいた世界との距離。「海外のバンドを日本に呼ぶのも、大阪のバンドを東京に呼ぶのも同じ」
ー現代のシーンの特徴として、海外とのつながりも大きいと思います。ungulatesは近年海外のバンドをかなり招聘していますよね。
辻:コロナ以降、海外とはどうやりとりしてるの?
中川:Instagramですね。だいたいバンドがDMで、「日本ツアーしたいんだけど」って連絡をくれて、普通に友達になるみたいな感じ。
辻:Hollow Sunsは去年アメリカツアーをしてたよね。
中川:Hollow Sunsはずっとアメリカでやりたかったんですけど、ライブ1本のためには行けないから、ツアーができるきっかけをずっと探してたんです。そういう中でテキサスのSunday Drive Recordsから音源を出すことになって、そこのレーベルメイトのLeaving Timeのツアーで一緒に回らせてもらった感じですね。
ー海外との距離感に変化を感じますか?
中川:めっちゃ近づきましたね。そもそもコロナで都内に住んでいる人とも会わない時期があったりしたから、1万キロ離れてようが隣の家の友達と同じ感覚で、Instagramを見て、メッセージをしてっていう感じなので、距離は関係なくなった気がします。
あとは自分がバンドマンでもあるので、僕がバンドを呼ぶこともあれば、自分でツアーをすることもあって、そのときはわりと対等というか、自分たちがそんなに大きいサイズ感じゃないのもお互いわかっていて。だから海外のバンドを日本に呼ぶときも、大阪のバンドを東京に呼ぶのと同じような感じで、「ホテルと移動は手配するけど、あとは物販で頑張ろうね」みたいな感じ。「外国のバンドだからこうしてあげなくちゃ」は逆になくなったというか、それは自分が海外に行くときもそう。もちろん、おもてなしは大事なんですけどね(笑)。

辻:『OOPARTS』では毎年海外のバンドを一個は絶対呼ぶっていうのを決めてて、今年はChinese Football、去年はStarmarketとElephant Gymを呼びました。シネマのお客さんはそういう海外のバンドをちゃんと見てくれるし、盛り上がってくれるので、そういうのを見てると、やっぱりこれであってるんだなって思います。
中川:素晴らしい。
辻:「海外のバンドだけを聴く」とか「日本のバンドだけを聴く」みたいな人もずっといるじゃないですか。別にそれはそれでいいんですけど、僕や航くんはそこをどうやってつなげるかを考えてるチームだと思うんです。日本と海外、そこに隔たりはないよっていうのを、どうやって伝えたらいいのかを常に考えてるんじゃないかな。