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2020年代のオルタナシーンはなぜ盛り上がってる? エモリバイバル以降の流れを総括

2025.8.1

#MUSIC

Oaikoやtomoran、若い世代を中心に支持を広げる新興レーベル

ーOaikoやtomoranのようなレーベルがコロナ禍の前後にできて、若い世代を中心に支持を集めています。あのあたりのバンドはシネマのファンも多い印象ですけど、辻くんはどう見てますか?

ひとひら『つくる』(2023)
せだい『Delirium』(2022)

辻:ありがたいことに僕たちのことをすごく知ってくれてたり、リスペクトしてくれていて、関係性を作りやすいのはありますね。Oaikoの町田くんも今度ここを使ってイベントをやってくれたり(7月12日にトークイベントを開催)、あとはStudio REIMEI(※)のチームもそう。僕らがやってるような音楽を盛り上げたいと思ってる人たちとつながれてるのはすごくありがたいし、そこからいろいろ情報がもらえるのも面白いです。

※SAGOSAIDのSAGOとVINCE;NTのギタリストでエンジニアでもあるシンマが運営する西調布の音楽スタジオ。多くのアーティストがスタジオライブを行い、「REIMEI SESSION」としてYouTubeで配信もしている。

中川:kurayamisakaはネットでは基本顔出しをしなかったり、アートワークが全部イラストだったり、ちゃんとトータルコーディネイトをしてる感じはすごいなって。

kurayamisaka『kimi wo omotte iru』(2022)

中川:あとは最近だとmoreruもすごく面白いですね。夜中のclubasiaをパンパンにしてたり。

辻:GEZANとかもそうですけど、ジャンルの中にいようとしない人が生まれてくるのが面白いですよね。シーンで一括りにされたくはないから、みんなどうやって抜け出すかを考えて、それこそSNSもうまく使ったりしてると思う。でもその一方ではそんなこと言ってること自体しゃらくせえと思ったり、みんなそれぞれ悩んでるのかなって。

ー一昔前のエモでもポストロックでも、やっぱり本人たちからすると括られるのは本意じゃないし、でもそれをきっかけに知ってもらえる可能性もある。その辺りのブランディングというか、それぞれの態度もSNSを通じて見えてくる印象です。

中川:僕はそういうの不思議だなって思ってたんですよ。「俺はエモじゃねえ」とか「僕らはシューゲイズじゃない」とか、そういうこと言うバンドがいっぱいいるけど、「いや、絶対影響受けてるでしょ?」って思う。「そうですよ、好きですよ」でよくない? とは思うかな。

辻:みんなそこはすごく測ってる感じがする。うちらの上の世代は好きな音楽を明かさないとか、日常を見せないとか、それでヒーローになってたと思うから、そういうのも好きだったけど、自分たちはそこをもっと見せるようにした世代というか。そこからSNSが広まって、今の世代は日常とバンドをやってる時間をどうやって区別して、ある意味マーケティングしていくのか、みんな考えてるんだろうなって。

中川:じゃないことを語るんじゃなくて、好きなことを語ったらいいんじゃないかなって、僕はそう思っちゃうんですけどね。

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