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2020年代のオルタナシーンはなぜ盛り上がってる? エモリバイバル以降の流れを総括

2025.8.1

#MUSIC

2010年代のエモリバイバルが現代のシーンに与える影響

ーもちろんSNS自体は前からあったけど、10代~20代がオルタナな音楽の情報を積極的に発信したり、それに反応するようになったのはわりと最近のことですよね。そういう現行のシーンの背景を探ると、まずは2010年代に海外で起こったエモリバイバルが大きいのかなと。

辻:うちらは1990年代のシーンをリアルタイムでは追えなくて、掘って聴く世代だったから、リアルタイムで起こったエモのリバイバルを追えたのは大きくて。バンドでいうとAlgernon Cadwalladerとか、レーベルでいうとCount Your Lucky Starsとか。世代的に僕らよりちょっと上だと思うんですけど、ああいうバンドがいっぱい出てきたのは夢中になりました。

中川:個人的に思い入れがあるのはEmpire! Empire!(I Was a Lonely Estate)で、僕はもともと1990年代というより2000年代のエモが好きだったんですよ。入りでいうと、Fall Out BoyとかMy Chemical Romanceがもともと好きで、そこからエモ、スクリーモ、メタルコアとかを聴いて。で、そこからTopshelfとかCount Your Lucky StarsのようなレーベルをBandcampでめっちゃチェックするようになって、気に入ったら買ってました。

Algernon Cadwallader『Some Kind of Cadwallader』(2008)
Empire! Empire!(I Was a Lonely Estate)『What It Takes To Move Forward』(2009)

辻:僕よりちょっと下の世代はそういう音楽に直で影響を受けたバンドが多いんですよ。PENs+とか、1inamillionとか。シネマ(cinema staff)はもともとポップな音楽が好きだったんだけど、バンドをやってる中で1990年代のエモが途中で入ってきた感じなんですよね。でも僕のちょっと下はエモリバイバルの流れともっと直結してる印象で。

中川:SUMMERMANとかSLEEPLESSとか、吉祥寺WARPとかでよく活動していたバンドはそうですよね。好きだからそのまま落とし込んでやってる、みたいな。僕のプラマイ2、3歳くらいの友達はそういう感じですね。

ー海外でのエモリバイバルは若い世代だけではなくて、アメフト(American Football)をはじめとした再結成ブームも大きかったですよね。

中川:そうですよね。Mineralとか。

辻:Braidとか。

American Football『American Football』(1999)
Mineral『The Power of Failing』(1997)
Braid『Frame & Canvas』(1998)

ー今の20代はアジカン(ASIAN KUNG-FU GENERATION)とかシネマのような日本のバンドが入口で、そこからエモリバイバルを知り、アメフトやMineralはみんな当然知ってるような状況で、それが面白いなと。

辻:アメフトが復活したときは超歓喜だったし(2014年に再結成をして、2015年に来日)、BraidもMineralも復活して、あのときはすごかったけど、でもそこから一旦落ち着いたと思うんですよ。お客さんちょっと減った感じだったけど、今またすごいですよね。

中川:アメフトの今年の来日すぐソールドでしたよね。

ーZepp DiverCityがソールドアウト。

中川:前に来たとき(2017年)は赤坂BLITZでやってたと思うけど、ソールドしたかなあ?

辻:いや、してない。

中川:ですよね。今はあのときの盛り上がりよりでかいんだと思って、びっくりして。

辻:The Get Up Kidsも今年はリキッドルームが即完したんですよね。まあ、リキッドなら売り切れるとは思うけど、僕はシネマで2013年に共演したことがあって、今回そのときと同じアルバム(『Something to Write Home About』)の再現ライブなんですよ。正直2013年のときはそこまで盛り上がった感じじゃなかったけど、今はもっと若い子たちが食いついてる感じがあって、それは変わったなと思いますね。

The Get Up Kids『Something to Write Home About』(1999)

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