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「ただの友達」ではない距離感から生まれる、本気のぶつけ合い
―事前にいただいた資料の中で、TAKAHASHIさんはALANのバンド活動を「仕事と趣味の間にあるもの」と書かれていましたよね。活動もマイペースに進んでいると思うし、決して、音楽で経済的なものを追い求めているわけではないと思うんです。ただ、だからと言って、作品のクオリティを諦めているわけではない。自分たちにしか作れないものを作りたい、いい作品を作りたい。そういった意志も強く感じます。
TAKAHASHI:そもそも僕は何事にも結果を求めてしまうタイプで、友達との関係も仕事っぽくしちゃうタイプなんですけど、そんな中でも、ALANはあくまでも「好きなことを好きなようにやっているバンド」で、ここに正解はないんです。「こうしたら売れるよ」みたいなこともないし、テクニカルな面での正解もない。本当に自分たちのバックグランドから湧いてきたもの、「俺は今、これがカッコいいと思う」という素をぶつけ合って、それを形にしている。
それは仕事とは別に音楽活動をやりながら、「ただの友達」すぎてもいないという距離感だからこそ、できていることだなと思います。「友達と一緒にバンド、楽しいです」では終わらず、だからといって、仕事のような明確な目標があるわけでもない。あくまでも「継続的な営み」としてバンドがある。しかも、そうやって生まれたものが人に聴いてもらえて、心を動かすことができているのなら、それは素晴らしいことだと思いますね。

―目的や完成形を目指さずに活動を続けているという前提の上で、ALANの未来について考えられていることや感じられていることはありますか?
TAKAHASHI:正解がないまま曲を作り始めるのと同じで、活動に関しても、先のことはわからないんです。これまでも、メンバーの転勤があったり、出産があったりで、ライブ活動だけでなく曲作りが中断していた期間もあるし、今こうして5人が同じ場所に揃っていること自体、恵まれている実感があります。もし誰かに人生の変化があれば崩れてしまうので、あまり長期で考えることができないんですよね。でも、それゆえに「今」を大切にしようと思っています。今できることを全力でやりたい。なので、かなり刹那的に捉えてはいるんですけど、それが積み重なって、結果的にこの5、6年バンド活動ができているので。このスタンスでいいのかな、と思っています。

―もし荻窪という街や中央線とのかかわりの中で、何かできることがあるとすればやってみたいことはありますか?
YOKOI:西荻窪にはインディーズとかパンクのイメージがあるけど、荻窪には、いい意味でそういった何かがあるわけではないと思うんです。でも、もしこの先何かしらが生まれるのだとしたら、その場にいれたら嬉しいなと思います。「繋がり」があって生まれるものに意味があると思うんです。なので、「何かをしたい」というよりは、今ルミネ荻窪さんがやっていることのように、荻窪で起こっている「何か」の過程や渦中に存在していて、いい影響を及ぼせたらいいなと思います。

ALAN『Turtle』

曲リスト:
1. Portland
2. Hue
3. route
4. naut
5. Record
6. Plainsong
配信日:近日お知らせ予定
ALAN X:https://x.com/alanband1
ALAN Instagram:https://www.instagram.com/alanbandtokyo/