安部勇磨が振り返る自身初のアメリカツアー。バカなことに挑戦し続ける理由

自分の安息の地は自分でつかみ取るしかないと思うんです。（安部）

ー今年never young beachは10周年を迎えます。音楽経験の少ないメンバーとともに始まったバンドでありながら国内イベントに多くに出演した一方、メンバーの脱退などの紆余曲折も経験したと思います。また国内では、経済が停滞し、政治家は国民を裏切り、閉塞感が漂っている。今回の北米ツアーは、そういったしがらみからの逃避でもあったのでしょうか。

安部：めちゃくちゃあります。僕は日本に友達もそう多くないので日本に後ろ髪を引かれることはないですが、今の日本の政治に対しても不満や怒りを抱えてる。投票にも行ってできることを続けても、どうしようもない時代のせいで個人の限界があるかもしれないと、33歳になって薄々感じていて。やっぱり自分の安息の地は自分でつかみ取るしかないなって思うんです。

だから、友達のいない日本で文句言うよりも、風呂敷を広げて海外で友達を作るくらい考えないとポジティブでいられなくて。自分の居場所をいろんな国に持って、血の通った繋がりを増やしていきたい。

ー今回の北米ツアーを経て、今後取り組みたいことはありますか？

安部：アメリカにもまた行きたいし、最近興味のある南米も気になりますが、お金のことも考えつつ、できる限りいろんなところに行って、いろんな国でいろんな音楽やってる人と友達になりたいです。大人になればなるほど慣れたことが増えて、ヒリヒリする感覚がなくなっていくし、日本の優しい環境に慣れすぎると腑抜けてしまう。僕にとって海外はわかりやすく違う場所なので、意図しないことが起きる環境に乗り込むことが大事だと思うし、そのヒリヒリを経験したら、日本でできることも変わってくると思うんです。