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安定しなくても、楽しむ。2003年生まれのluvが上京して選んだ音楽で生きる道

2026.11.6

luv『wabi-sabi』

#PR #MUSIC

ネオソウルやジャズをルーツに持つ、全員2003年生まれの関西出身の5人組バンドluv。2026年はKan Sanoの“With Love feat. luv”に参加し、ドラマ『絶望できない男』の主題歌“hora”などを発表してきた。

彼らが、11月4日(水)に初のフルアルバム『wabi-sabi』をリリースする。テーマは「愛をどう扱っていいかわからない人」。誰かを大切に思う気持ちや、それをうまく伝えられない戸惑いを、日常の言葉や場面に重ねた13曲を収めた。

歌詞の大半を手がけるhinata miyake(Vo / Gt)は、愛を「人と人との距離」と捉えている。今回はメンバー4人に、hinataの歌詞で気になるフレーズを挙げてもらい、その意味を本人に聞いた。男女の物語として描かれた“37℃”の最後の一行は、小学校からともに過ごしてきたhajime(DJ)に向けたものだった。

さらに、5人それぞれの音楽への愛情や、上京してバンドを続ける今の実感についても語ってもらった。

恋愛より、人との距離感。hinata miyakeが『wabi-sabi』で描いた愛   

(写真左から)hajime(DJ)、takaya hirosawa(Key)、hinata miyake(Vo / Gt)、baba kazuma(Ba)、shotaro kaneda(Ds)
luv(ラヴ)
2023年6月、関西で結成。幼なじみや大学のジャズ研究会で出会った、全員2003年生まれのhinata miyake(Vo / Gt)、hajime(DJ)、takaya hirosawa(Key)、baba kazuma(Ba)、shotaro kaneda(Ds)による5人組。1990年代〜2000年代初頭のネオソウルやアシッドジャズを軸に、ジャズやヒップホップの要素を取り入れたサウンドで活動する。2024年7月に“Fuwa Fuwa”でメジャーデビュー。2025年2月に1stミニアルバム『Already』をリリース。2026年4月に上京し、11月4日に初のフルアルバム『wabi-sabi』を配信リリースする。

―『wabi-sabi』のテーマ、「愛をどう扱っていいかわからない人」という言葉は、いつ生まれたのでしょう。

hinata:アルバムのタイトルを決めたのは一番最後なんですけど、テーマ自体は結構前からありました。人と関わるときの距離について、自分の頭の中にある考えをまとめて、アルバム全編がつながるようにしてみたい。その感覚が曲より先にあったんです。


―皆さんにとって「愛」とは、どんなものですか?

hinata:僕は、人と人との距離そのものなんやなと思うようになりました。恋愛的な要素よりも、それ以外の部分のほうが大きくて。大人も含めて、いろんな人との距離感がほんまに難しい。その中で、自分なりの距離感を探すことが、愛なんやと思います。

baba:僕はライブを観るのが好きで。お客さんはミュージシャンに愛を持って足を運び、ミュージシャンもお客さんと音楽に愛を持って演奏している。それが重なって、温かい空間になる。そのつながりが好きなんです。「愛」と言うと恥ずかしいですけど、そういうところなんじゃないかなと。

shotaro:人でも物でも、最初に「これ、好きやな」と思って、愛でたいと思う。そこから愛着に変わっていくのが愛なのかなと思っています。例えば家具なら、最初は「家に置いたら似合いそうやな」と思って買うけど、使ううちに愛着が湧いてくる。新しい物が出てきても、結局これがいいよね、って落ち着く。その時間や経験も含めて、愛なのかなと思います。

takaya:あんまり考えたことがなかったんですけど、生きているうちに、知らん間にそこらへんにあるな、という感覚です。僕らも気づいたらこうして音楽をやっていて、その中で愛みたいなものが生まれている。一方で、誰かと別れたり、傷つけられたりしたときに、そこに愛があったと気づくこともある。不確かだけど、誰かと何かをつなげてくれるものが、確かにそこにある。強いて言葉にするなら、そんな感じなのかなと思います。

hajime:僕は、どれだけ自分を削れるか、ということを考えます。音楽をもっと知ろうと思ったら、自分の時間を削ったり、それまで持っていた考えを削って、新しいものを取り入れたりする。人間関係でも、嫌なことがあっても、その人を愛するなら、自分の考えを削って相手に寄り添う。そういう感じがします。

―hinataさんが「人との距離感が難しい」と感じるのは、どんなときでしょう。

hinata:自分が思っていることを、うまく伝えられないときですね。僕はあんまり日本語が上手じゃなくて、言っているつもりでも、相手には全然伝わっていないことが多いんです。自分を見つめ直すうえでも、言い聞かせるように歌詞を書きました。

上京して、ものすごい数の人と会って話す中で、「この人はちょっと違うな」「この人はいいんやろうな」というのが、だんだんわかってきた。そういう経験が、そのまま歌詞に出ていますね。曲にするときは、わかりやすいように恋愛を交えたりもしたんですけど、根っこにあるのは、恋愛に限らず日々の人との関わりの中で感じていることです。

(写真左から)shotaro kaneda(Ds)、hajime(DJ)、hinata miyake(Vo / Gt)、takaya hirosawa(Key)、baba kazuma(Ba)

歌詞の意味をメンバーが質問。“37℃”の一行はhajimeに向けて

―メンバーの皆さんは、hinataさんの書く歌詞にどんな印象を持っていますか? 今回のアルバム収録曲で気になるフレーズを教えてください。

baba:“easy, no way!!”の<石の上には留年だらけ>というところが、あんまりわからなくて。なぜなんやろう、と思いました。

hinata:「石の上にも三年」って、耐え忍ぶ意味でよく言われるんですけど、3年でいけたら、もう大満足じゃないですか(笑)。僕らは今、大人と子どもの間にいて、まだ大人になろうとしている段階だと思うんですよ。精神年齢も低いし、そういう自分たちを表すのに「留年」という言い方がしっくりきたんです。

hinata:luvの5人でずっとやってきて、最近はお互いの距離感も薄々わかってきたところがあって。この空気感のまま、ゆっくり地道に、5人で大人になっていきましょう、という曲でもあります。

shotaro:僕は“37℃”の、<人生をローンにして/少しずつね>というところを聞いてみたいです。

hinata:これは割と直接、恋愛を書いている曲なんですけど、例えばエアコンの設定温度が違うように、人によって心地いいと感じるものは違うじゃないですか。そういう違いを、お互い少し無理して合わせていく。傍から見たらしんどくても、それは二人の共同作業でもあると思うんです。

人と人とが関わるうえで、どちらも自分のどこかを削らないと成立しないことが多い。その、相手への思いやりと、自分を削って合わせることを「人生のローン」と表現しました。

baba:なるほど。気遣い、ということですね。

―最後の<明日のゴミはだしとくね>という一行には、どんな気持ちを込めたのですか?

hinata:実はこの曲、hajimeに対して書いたところもあるんですよ。小学校から一緒で、ほぼ毎日一緒にいる。二人とも似てはいるんですけど、趣味や今好きな音楽は全然違うし、言い合いも結構します。でも、バンドのことは本気で話し合うし、hajimeには全幅の信頼を置いているんです。

ただ、普段hajimeに「ありがとうございます」とは言わない。その気持ちを、歌詞では「明日のゴミ、出しときます」みたいな言葉にした、というニュアンスです。最後のサビで進行がパッと変わって、サウンドが開けるところに、一番言いたいことを入れています。

―hajimeさんへのラブソングでもあったのですね。

hinata:これを明らかな友情ソングにすると、ちょっと『イナズマイレブン』(※)みたいな、少年漫画みたいになる。それはluvの作風に合わないんで、男女の設定にして脚色したんです。そうしたら、hajimeへの気持ちもちょっとバレへんかなと思って(笑)。

※『イナズマイレブン』:弱小サッカー部のキャプテンである主人公・円堂守らが、仲間とともに強敵との戦いを通じて成長していく姿を描く、2008年発売のゲームを中心に展開する作品。

―こうしてメンバーから歌詞の意味を聞くのも、面白いですね。

hinata:今日みたいに、インタビューで歌詞のことに触れられたのは初めてに近いぐらいですね。

baba:制作中は、メンバー間でも歌詞の話はなかったと思います。

hinata:だんだん恥ずかしくなってきた(笑)。

聞き取りやすさと話し言葉。歌詞のテーマを隠さなくなった理由

―歌詞や歌の伝わり方は、以前から変わってきていますか?

hinata:それは結構意識しているかもしれないです。“bye<3”は、聞き取りにくさもあるけど、何を言っているかはわかる。そのバランスは結構頑張りました。日本人は、僕が思っているよりも歌詞を聴いているらしいので、聞き取りやすさも意識しています。

shotaro:メロディから外れすぎずに、歌詞も聞き取れる。どう作っているのかわからないぐらい、言葉とメロディが密着しています。

あと、最近は「何々しておくれ」みたいに、誰かに話しかける歌詞がありますよね。それがずっと続くわけじゃなく、大事なところに出てくる。そこで「今、自分に話しかけられているんだ」と感じて、曲との距離が一気に縮まるんです。聴いていて、すごく愛着が湧きます。

hinata:言われてみれば、確かに言いたいことは、そういう話し言葉になっていますね。

https://www.youtube.com/watch?v=t-vfbYrCl8Y

―歌詞に込めた自分の気持ちも、以前より伝えたいと思うようになりましたか?

hinata:以前は恥ずかしさもあって、自分の歌詞のテーマがバレることを、むしろダサいと思っていたんです。でも、いろんな人に聴いてもらえるようになって、隠し続けるのもちょっとダサいかな、と。自分の中にちゃんとテーマがあるなら、それは伝えたほうがいいと思うようになりました。

ペットボトルの蓋から連想する歌詞。原体験はNHK EテレのOPテーマ

─曲名も“otsu-bone”や“Ohaguro”など独特だし、比喩もひねりが効いていますよね。どういうところから思いつくのですか?

hinata:日頃からいろんなものを見て、連想ゲームみたいなことをしているんです。例えば、ここにあるペットボトルの蓋が開いていたら、「私に蓋をしてください」とか。蓋を回す動きから、「ねじる速度をもうちょっとゆっくりにしてください」とか。そうやって、身近な物を人に置き換えて考えてみたりして。歌詞で何を言うかという部分では、人と違うものにしたい。そこは考えていますね。

https://www.youtube.com/watch?v=xHNpsMTkbbw

─そういう表現は、どんなところから影響を受けてきたと思いますか?

hinata:やっぱりNHKの『みんなのうた』みたいな子どもの歌。伝えたいことがはっきりしていて、日本語の良さを前面に出している。『フックブックロー』(※)の“青空しんこきゅう”は、歌詞がすごく深くて。原体験はそれですね。

※『フックブックロー』:2011年から2018年までNHK Eテレで放送された子ども向け番組。“青空しんこきゅう”は番組のオープニングテーマ。

https://open.spotify.com/intl-ja/track/4YunjhpAj04smbvttlP6k2?si=a1c0098570c440db

―hajimeさんからも、意味を聞いてみたい歌詞はありますか?

hajime:僕は普段、歌詞よりもサウンドやメロディを気にしています。ただ、“joe”は全体的に、インディーズの頃のhinataの歌詞みたいな感じがするんです。「じょう」という音が何度も出てくるのが気になっていて、どういう意味なんやろう、と。

―「状」「常」「情」と、同じ「じょう」の音を持つ言葉が出てきますね。

hinata:「じょう」という音から、マジカルバナナみたいな連想ゲームをしているんです。内容としては競争っぽいことを歌っていますけど、アルバムの中では唯一、歌詞の意味よりも言葉の響きを重視した曲ですね。

https://youtu.be/U4lMo9WuSVU?si=0g-medcFNa14wchi

―言葉遊びの気持ちよさがある一方、演奏はかなりカオティックですよね。

hinata:そうですね。2年前に、みんなで作った曲です。今回のアルバムの中でも一番時間をかけた曲で、出す時期も悩みながら温めていました。

―曲を作るメンバーの組み合わせも、曲ごとに違うのでしょうか。

hinata:そうですね。“joe”のように全員で作ることもあれば、僕がhajimeやtakayaと一緒に作ることもあるし、個人で作ることもあります。

メンバーに聴いてもらうときは、弾き語りというより、伴奏も含めてトラック全体を作り込んだ状態ですね。そこから、曲に合わせてアレンジを加えて、元のトラックを上書きしていく感じです。

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