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ラストシーンにあった、ザジ・ズーのユニークさ
では、いったい、かれらは何のためにパロディーの乱れ打ちをするのか?
作品からは、前説で語られているように「(演劇の)本来の面白さを一人でも多くの人に伝えたい」とか「疲弊しつつある日本の演劇を、未来へとつなげたいという願い」といったテーマを読み取れる部分もあります。けれども、その言葉をほんとうに額面通り受けとってもいいかというと、少し怪しい。
冒頭に語られる「若者の演劇離れが加速していく中、かれらに向けた作品が必要だと感じます」という言葉や、ラストシーンで語られる「あなた方が今日観に来たのは贋作ですか? それとも真作ですか?」という言葉も、マジメに受け取っていいものでしょうか? もちろん、それらの言葉は、ただの冗談ではなく、かれらにとってひとつの本心でしょう。でも、そんな真摯な態度を受けて、かれらの才能を「エネルギッシュで笑えるんだけど、意外とマジメに考えている集団」というありがちなフレームに収めてしまことは、かれらを「疲弊しつつある日本の演劇」に押し込めてしまうだけではないでしょうか?
かれらは、そんな退屈な存在ではありません。そう断言できるのが、このラストシーンにおいて言葉にされていなかった態度が、とても魅力的だったからでした。そこにこそ、かれらのユニークさがあります。
