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【2025年振り返り・演劇編②】餓鬼の断食、いいへんじなど若手に期待。AIと演劇

2026.2.12

#STAGE

市原佐都子/Q『キティ』 / 撮影:中谷利明 東京にこにこちゃん『ドント・ルック・バック・イン・マイボイス』/撮影:明田川志保 贅沢貧乏『わかろうとはおもっているけど』 / Photo:Kengo Kawatsura フォースド・エンタテインメント『Signal to Noise』 / Photo by Kozo Kaneda

2026年やっていきたいこと、期待すること

ー2025年を振り返っていただいたこの座談会もそろそろ終わりますが、総括と、2026年以降に期待することをお聞かせください。

山﨑:2025年は間違いなく、フェスティバルの当たり年でした。『豊岡演劇祭2025』は積み重ねてきたものが定着した感じですが、『SHIZUOKAせかい演劇祭2025』は久しぶりに大きなプロダクションを2つ呼んでいるし、『秋の隕石』は新しくスタート。『KYOTO EXPERIMENT』も継続してやってきた成果が出ていました。『YPAM(横浜国際舞台芸術ミーティング)』(※)もラインナップがすごく面白かったです。

※2025年で30回目の開催を迎えた、国内外の舞台芸術関係者が公演プログラムやミーティングを通じて交流するプラットフォーム。1995年に『TPAM(芸術見本市/Tokyo Performing Arts Market)』として東京で開始し、2011年に横浜に移転。アジアで最も影響力のある舞台芸術プラットフォームのひとつとして国際的に認知されている。

山﨑:2026年はクリエイター支援基金(※)が始まって3年目になります。日本のアーティストが海外に視察に行ってネットワークを拡げたり、海外でいろんなものを観てきたことの成果が出る年になるんじゃないかと。もちろんすぐに成果が出るわけではないと思うんですが、楽しみにしたいですね。

あと、僕が運営する舞台芸術をめぐる言説を発信するプラットフォーム「紙背」がアーツカウンシル東京の「東京芸術文化創造発信助成 カテゴリーⅢ創造環境向上活動」の長期助成に採択されて、2028年3月までの3年は活動を続けられることになりました。それこそ演劇におけるジェンダーやセクシュアリティについて、アップデートされた発信をしている書き手や媒体はまだまだ少ないということもありますし、これからも引き続き頑張ってやっていこうかなと思います。

※文化庁2023年(令和5年)度補正予算において措置された補助金により、文化芸術活動基盤強化基金が設立された。また令和6年度補正予算において、クリエイターとして国際的に活躍する人材を育成するための「クリエイター等支援事業(育成プログラム構築・実践)」が新たに創設された。

丘田:昨年は関西や名古屋、愛媛や福岡や三重などの地域に観劇に赴いたのですが、今年はもっと首都近郊以外の演劇シーンを追いかけたいと思っています。この数年審査員を務めている『CoRich舞台芸術まつり!』の2026年度の開催も3月に迫っているのですが、全国様々な地域の団体から応募をいただくんです。そうした中で、東京の演劇シーンとの違いを知ることや、地域の団体の活動スタイルから新たな発見や学びを得ることもたくさんあります。自分の在住地である東京だけでなく、どこで何が起きているかをもう少し広く見ていかなきゃいけないな、と年々感じるようになりました。

川添:劇場に行ったら、芋づる式に、「この俳優さんはここの劇団の人なんだ、じゃあ今度はここの劇団の作品を観に行こう」みたいな感じで、劇団や演劇を点ではなく面で見れるようなフェスティバルがあるといいですよね。昨年、新しく東京芸術劇場の芸術監督になる岡田利規さんと野田秀樹さんのトークを聞きに行ったのですが、若い劇団の作品に関しても言及されていたので、そういった動きに勝手に期待しています。

野田秀樹×岡田利規が語る、公共劇場の役割。演劇界を牽引する2人が語り合う」を読む / 撮影:冨田了平

川添:あとは、話題のTVドラマの脚本を演劇人が手掛けることも多い昨今、これをきっかけに、「この人って演劇やってるんだ」って劇場に行く人が増えるといいですよね。さまざまな娯楽が増え、観劇人口が減っている今、既に演劇を観ている人たちに向けてばかり演劇をつくっていても広がりがありません。私自身も、今まで演劇を観ていない人を劇場に呼ぶシナプスを伸ばしていきたいです。もしかしたら、地方の人とか、身体的に不自由な方たちに、簡単に「観に来てください」って言うのはすごく残酷なことかもしれない。そういう人たちにも演劇の魅力を伝える方法を個人的に考えたいと思ってます。色々課題はありますが……。

と同時に、もっとシンプルに、劇団四季の『バック・トゥ・ザ・フューチャー』みたいな大型娯楽作品を楽しんでもいいんじゃない? という気持ちもあります。劇場は難しいことを考えず、日常生活の嫌なことを忘れて楽しめる場所でもある、ということも感じさせてくれる演劇も観たいですし。大劇場から小劇場、伝統芸能、最新鋭の尖ったステージ、ダンスに舞踏に宝塚……あらゆる表現が全て「舞台芸術」に含まれているのが日本の演劇の魅力。2026年もさまざまな舞台をとにかく観まくります。

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