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長田育恵と岡室美奈子が語る、演劇の未来に必要な「保存」と「創造」

2026.1.29

舞台芸術アーカイブ講座 2025

#PR #STAGE

アーカイブへアクセスできることで、学習も創作も豊かになる

―演劇に携わる取材者として、団体や作品の歩みを遡る際にもアーカイブに助けられることはすごく多いです。EPADが推進する様々な取り組み、「ジャパン・デジタル・シアター・アーカイブズ(JDTA)」(※)や日本劇作家協会による「戯曲デジタルアーカイブ」などがまさにそうですが、それらの発足背景にはどんな経緯があったのでしょう?

※早稲田大学演劇博物館が運営する、日本の舞台公演映像の情報検索サイト。EPADで収集した演劇 / 舞踊 / 伝統芸能等の舞台公演映像の情報を検索することができる。https://enpaku-jdta.jp/

長田:私が日本劇作家協会に入った2012年頃は、戯曲が出版されても絶版になってしまうことが多々あったんです。私自身もちょうど評伝劇に関心を寄せ始めた頃で、宮本研さんの『美しきものの伝説』を手に入れるのにすごく苦労をして……。それで「せめてオンデマンド出版をしよう」と、有志で集まり、戯曲を一つひとつ手打ちしてデータ化したんですよ。それが「戯曲デジタルアーカイブ」の前身である「二十一世紀戯曲文庫」でした。

長田:その後、コロナ禍にEPADから日本劇作家協会にお声がけをいただいて、「戯曲デジタルアーカイブ」が発足しました。様々な改良を重ね、今では上演許諾申請までがシステム上で行えます。

岡室:最初に使った時は本当に感動しましたね。豊富な戯曲が無料で自分のパソコンにダウンロードできる。なんて革命なのだろう、と。個人的な活用はもちろん、教育利用でも活用できて、私もEPAD教育事業の一環で劇団イキウメの『散歩する侵略者』を授業で取り上げたのですが、戯曲と舞台映像、さらには黒沢清監督の映画版もあり、生徒たちは様々なアーカイブから多角的なアプローチができたんです。素晴らしいことですよね。

長田:教育面でもう一つ大きく変わったのが、高校演劇シーン。高校演劇は1時間以内の作品を探すことがまず基本になるのですが、戯曲デジタルアーカイブは上演時間と出演人数で検索できるのでスムーズなんですよね。以前はネット上にある素性のわからないデータを使ったりすることも多かったのですが、今は作家に上演許諾を求めてコンタクトを取り、規定の金額を支払って使用する、という然るべきプロセスを高校生自らが踏むようになりました。それ以外にもシニアの方が市民の集まりで朗読をするために戯曲をダウンロードしたり、世代を問わず活用できるのは豊かなことですよね。

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