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観光型ではなく市民参加型。目指すのは、市民の意識が「ひらく」こと
―お2人は「地域リーダーズ」も務めているそうですが、主にどういった活動をするポジションなのでしょう?
西山:地域リーダーズは、芸術祭をつくるにあたって貢献できる専門性を持った人材の集まりです。実はそういう人たちは千葉市にたくさんいるんですが、お互いを知っていても一緒に何かしたり、千葉のためにスキルを活かしたりする機会があまりなかったんですね。私自身、たしかに千葉で長く仕事をしてきたんですが、千葉市全体の大規模なプロジェクトに携わったことはありませんでした。
そんな人たちがこの芸術祭をきっかけに、それぞれの持つ専門性を千葉という街に対して活かす機会が生まれました。地域リーダーズと共に何かを起こすことで、地域の関係性が変化することが大事だと思っています。いま20名くらいの地域リーダーがいるんですが、そのうち3分の2くらいは千葉でもともとつながりのあるメンバーで、公募を見て参加してくれた方も何人かいます。

いわさわ:千葉市以外のメンバーもいますけど、ほとんどが千葉県在住ですね。
―「地域の可能性をひらく 参加型アートプロジェクトの祭典」と謳っているように、そもそも『ちばげい』は市民参加を強く掲げています。
西山:芸術祭としての方針は、写真映えする屋外彫刻を見て回るような観光型というより、まちづくり的な要素も含んだアートプロジェクト型になっています。全ての作品に何らかのかたちで市民が参加しているんですよ。
大事なのはプロセス。できあがった作品を鑑賞するとか、付随的に用意されたワークショップに参加するということではなく、リサーチや素材集め、制作などの各段階に市民が関わっています。もちろん他の芸術祭でも市民参加のプロセスは重視されていると思いますが、その部分を特徴として打ち出して、少しでも多くの市民に関わってもらうことを目標にしているのが『ちばげい』ですね。
市民の方々がアーティストやプロジェクトと深く関わっていくことで、自分なりに何か発見したり、考えたり、そこで出会った人たちと新しい関係性が生まれたりする。結果的に市民の意識や行動に変化が起こることで街全体が変容し、それが千葉市の未来をつくっていくことを目指しています。


