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千葉って楽しい。『千葉国際芸術祭』で撒いた、アートに参加する楽しさの種

2025.12.3

『千葉国際芸術祭』

#PR #ART

観光型ではなく市民参加型。目指すのは、市民の意識が「ひらく」こと

―お2人は「地域リーダーズ」も務めているそうですが、主にどういった活動をするポジションなのでしょう?

西山:地域リーダーズは、芸術祭をつくるにあたって貢献できる専門性を持った人材の集まりです。実はそういう人たちは千葉市にたくさんいるんですが、お互いを知っていても一緒に何かしたり、千葉のためにスキルを活かしたりする機会があまりなかったんですね。私自身、たしかに千葉で長く仕事をしてきたんですが、千葉市全体の大規模なプロジェクトに携わったことはありませんでした。

そんな人たちがこの芸術祭をきっかけに、それぞれの持つ専門性を千葉という街に対して活かす機会が生まれました。地域リーダーズと共に何かを起こすことで、地域の関係性が変化することが大事だと思っています。いま20名くらいの地域リーダーがいるんですが、そのうち3分の2くらいは千葉でもともとつながりのあるメンバーで、公募を見て参加してくれた方も何人かいます。

2024年10月に開催した最初の記者発表会の様子。市長や総合ディレクターとともに、地域リーダーズのメンバーも壇上に上がった。メンバーはさらに増え、2025年6月現在では20名が在籍。

いわさわ:千葉市以外のメンバーもいますけど、ほとんどが千葉県在住ですね。

―「地域の可能性をひらく 参加型アートプロジェクトの祭典」と謳っているように、そもそも『ちばげいは市民参加を強く掲げています。

西山:芸術祭としての方針は、写真映えする屋外彫刻を見て回るような観光型というより、まちづくり的な要素も含んだアートプロジェクト型になっています。全ての作品に何らかのかたちで市民が参加しているんですよ。

大事なのはプロセス。できあがった作品を鑑賞するとか、付随的に用意されたワークショップに参加するということではなく、リサーチや素材集め、制作などの各段階に市民が関わっています。もちろん他の芸術祭でも市民参加のプロセスは重視されていると思いますが、その部分を特徴として打ち出して、少しでも多くの市民に関わってもらうことを目標にしているのが『ちばげい』ですね。

市民の方々がアーティストやプロジェクトと深く関わっていくことで、自分なりに何か発見したり、考えたり、そこで出会った人たちと新しい関係性が生まれたりする。結果的に市民の意識や行動に変化が起こることで街全体が変容し、それが千葉市の未来をつくっていくことを目指しています。

アリーナ・ブリュミス & ジェフ・ブリュミスによる「家族との晩ご飯へ贈られる絵画」は、夫婦でもある2人組のアーティストが、家族の晩ご飯への招待と引き換えに絵画をプレゼントするプロジェクト。
藤浩志による『33年後のかえる』では、子どもたちが不要になったおもちゃを交換する「かえっこバザール」を2024年より千葉市内の複数箇所で開催し、回収したおもちゃで作品が制作されている。
加藤翼による「引き興し/倒し:Pull and Raise/Topple」では、加藤翼がフィールドワークの中で、幸町団地に50年以上住み続けている方々、その孫世代にあたる現役の子育て世代の方々、外国人住民の方々にインタビューを行った。そして、団地の一室を原寸で再現した構造体を広場に設置し、8月30日の団地祭と連動させながら、住民たちと共にロープでひっくり返すパフォーマンスを行った。

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